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第7回 Change Maker Awards(CMA)イベントレポート

第7回 Change Maker Awards(CMA)

探究活動の成果を力強く発表
中高生のための英語プレゼンコンテスト

中高生が、探究活動の成果を英語で発表するプレゼンテーションコンテスト「第7回Change Maker Awards」(CMA)の全国大会が、3月23日(日)、東京都江東区の東京国際交流館・プラザ平成で開催された。予選を勝ち抜いたチーム10組、個人10人が発表を行ない、本紙の高橋敏之編集長も審査員の一人として参加した。SDGs・災害対策・英語教育などさまざまなテーマで発表が行なわれた大会の模様を紹介する。

■ 「社会の変革」を英語で提案

「Change Maker Awards」(CMA)は、「社会に変革を起こす」ために活動する中高生たちを励ますコンテストだ。応募者たちは自ら課題を提起し、実験やリサーチによって解決策を見出し、よりよい社会を築く方法を発表する。一般社団法人英語4技能・探究学習推進協会の主催で、2019年より毎年実施。2022年度から全国の高校に「探究」の授業が取り入れられたこともあり、よりしっかり組み立てられた内容でプレゼンに臨む参加者が増えてきた。

「チーム部門」では「私たち×〇〇」(Attract the World with your Research/Action)、「個人部門」では「世界に伝えたい私の探究」(Show your Research/Action to the World)をテーマとし、「英語力2割、探究学習の内容8割」の基準で審査を行なう。英語が流ちょうなだけでは勝ち残ることができず、探究内容のインパクトが重視される。

全国を「東日本」「東京」「西日本」の3ブロックに分け、エッセイ審査による地方ブロック予選、動画審査による地方ブロック決勝を経てチーム部門10組・個人部門10人が全国大会へ。各自が工夫を凝らしたスライドを用意し、約7分のプレゼンテーションに挑戦した。

■ 質疑応答力が評価されたチーム部門

田中茂範慶應義塾大学名誉教授を審査員長とする5人の審査員が各部門から金賞・銀賞・銅賞を選出。金賞は60万円、銀賞は40万円、銅賞は30万円相当の学習支援プログラムが贈られる。この他、「チーム部門」の「Global Link賞」ではGlobal Link日本事務局の太田花菜氏が審査に当たり、高橋編集長は「個人部門」での「The Japan Times Alpha賞」の審査員を務めた。「Global Link 賞」受賞チームには、シンガポールで開催される中高生向けのアジア太平洋課題研究コンテスト「Global Link Singapore」への出場権が与えられる。

チーム部門では、2~4人で1グループを組む。品川女子学院高等部のチームは、女性の生理について男子生徒や企業の男子社員にも理解してもらうという、ユニークな活動について紹介。本郷高等学校のチームは、小さい子どもに英語に親しんでもらうため、文化祭の英語劇をゲームのキャラクターが登場する内容にしたところ、大きな反響を得たという例を発表した。
金賞は、健康のために野菜を摂取しやすくしようと、冷凍してコーティングを施す「冷凍野菜スイーツ」の制作と商品化についてプレゼンした山形県立山形東高等学校のチームが獲得。「冷凍すると栄養価が損なわれるのでは」という審査員・工藤洋路玉川大学教授の質問に対し、「あまり大きな差はない。後から栄養分を足すという手もあったが、人工的な要素を加えず自然なままの食品にしたかった」と、英語で丁寧に回答していた。

チーム部門 金賞

チーム部門 金賞に輝いた山形県立山形東高等学校

Global Link賞を受賞したのは、海の潮の満ち引きを利用した潮流発電の効率向上について分析したお茶の水女子大学附属高等学校のチーム。太田花菜審査員からは、「具体的なデータに裏打ちされた成果を発表し、オーディエンスの知りたいことを質疑応答で分かりやすく説明していた」と評された。

Global Link賞

チーム部門 Global Link賞に輝いたお茶の水女子大学附属高等学校

ほか、カナダ留学などをきっかけとして、規格外野菜の廃棄を減らす活動をしている昭和女子大学附属昭和高等学校チームが銀賞を、ネットで人気の勉強動画に着想を得てビデオ通話によるオンライン自習会を提案した山形県立長井高等学校のチーム、Shooting Star☆彡が銅賞を受賞した。

■ 被災者に寄り添う活動にAlpha賞

個人部門では、飢餓の問題に気付くためのRPGゲームを開発したN高等学校の植西皐月さん、カンボジアやガーナで子どもたちに英語絵本を届ける活動をした公文国際学園高等部の岡島花蓮さんらのプレゼンが行なわれた中、「宇宙食」の開発に目を向けた、大阪府立水都国際高等学校の小川素依さんが金賞を受賞。宇宙へ食品を持っていくだけでなく、宇宙船内で食用となるduckweed(ウキクサ)を育てるという新規性のある提案を行ない、肥料の代用となるものを紹介した。小川さんは「小さい頃から宇宙に興味があり、自分の好きなことで賞をもらえるのはとてもうれしい」と、喜びを語った。

個人部門 金賞

個人部門 金賞に輝いた大阪府立水都国際高等学校の小川素依さん

The Japan Times Alpha 賞は、災害食となる缶詰パン「ふわ姫パン」を宮城県の高校生と共同開発した、兵庫県立姫路商業高等学校の田中まりあさんが受賞した。「この活動について英語でプレゼンするのは初めて。英語で話すことにより、さらに多くの人に知ってもらうことができる。被災者の思いが風化しないように活動を続けていきたい」という田中さんに、髙橋編集長から「被災者の視点に立ち、心のケアにも取り組んでいるところが素晴らしい」という評価が送られた。

個人部門 The Japan Times Alpha賞

個人部門 The Japan Times Alpha賞 兵庫県立姫路商業高等学校の田中まりあさん

この他、企業にフェアトレードスナックの量り売り自動販売機を置く新ビジネスを提案した東京学芸大学附属国際中等教育学校の中川心之介さんが銀賞を、バイオリンに使う「肩当て」を演奏者に合わせてカスタマイズした白百合学園高等学校の加藤優音さんが銅賞を受賞した。

  • 個人部門 銀賞個人部門 銀賞 東京学芸大学附属国際中等教育学校 中川心之介さん
  • 個人部門 銅賞個人部門 銅賞 白百合学園高等学校 加藤優音さん
  • チーム部門 銀賞 昭和女子大学附属昭和高等学校チーム部門 銀賞 昭和女子大学附属昭和高等学校
  • チーム部門 銅賞チーム部門 銅賞 山形県立長井高等学校の「Shooting Star☆彡」

大会の締めくくりとして、田中審査員長が、中高生たちを激励するための英語スピーチを行なった。「vision(ビジョン)を持ってmission(ミッション)を具体化し、action(アクション)を起こす。それを支えるのがpassion(パッション)です。これらを持ち合わせた皆さんは、近い将来必ず世界のchange makerの仲間入りをするものと信じています」。

本選出場者一覧

個人部門:兵庫県立姫路商業高等学校 田中まりあさん/さいたま市立大宮国際中等教育学校 土肥桃子さん/大阪府立水都国際高等学校 小川素依さん/白百合学園高等学校 加藤優音さん/ N 高等学校 植西皐月さん/広尾学園高等学校 小澤美咲さん/頌栄女子学院高等学校 楊洽怡さん/公文国際学園高等部 岡島花蓮さん/東京学芸大学附属国際中等教育学校 中川心之介さん

チーム部門:品川女子学院高等部 CLAIR. /お茶の水女子大学附属高等学校 dimple /静岡県立駿河総合高等学校 するそう/本郷高等学校 よっしー/山形県立長井高等学校 Shooting Star ☆彡/山形県立山形東高等学校 ftude /名古屋国際高等学校 NIHS /兵庫県立長田高等学校 Nagappy /山形県立長井高等学校 STUDY evolution!! /昭和女子大学附属昭和高等学校 FL²

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