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  3. 2019.7.5

My daughter and the boy band娘の好きな男性アイドル

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娘が11歳か12歳くらいの頃、非常に陳腐なポップバンドに夢中になった。これは新しい現象ではない。若い女の子たちは、音楽が生み出されたとき以来、ハンサムな若い男性歌手に夢中になってきたのである。そうやって音楽が生まれたのだと主張する人さえいるだろう。

そのグループは、典型的な日本のアイドルバンドのアメリカ版で、とても顔立ちがきれいで、ふさふさの金髪ではじけるような満面の笑みを浮かべ、「ベイビー」とか「ヤー」「アハー」「ウォゥ」とかばかりの言葉でできた歌詞の音楽に合わせて非常に陳腐で陽気なダンス音楽を作る十代の少年たちだった。

彼らがカナダでツアーを行なう予定だと知り、娘は大騒ぎした。

「パパ、チケットとれる? ねぇ? (このバンド)大好きなの! 会いに行かなくちゃ! ねぇ、パパ、お願い、いいでしょ?」

娘は自分一人でロックのコンサートに行くには年齢が低すぎた。私も一緒に行かないといけなかった。私は音楽を愛していて、交響楽団からヘビーメタルバンドまで聴きに行ったことがあるが、スタジアムが揺れるような音量で1時間も続く「イェー、ウィーゴナウォゥ! アハー、ベイビー!」に耐えるよりも耳にセメントを詰めた方がマシだった。全ての親のお得意の戦略に頼ることにした。

「多分ね」

娘はチケットの情報を得るためにコンピュータに駆け寄った。

「えー! トロントのコンサート、売り切れだって!」と彼女は嘆き悲しんだ。「ハミルトンのチケットも! ロンドン、キングストン、オタワ、モントリオールも ――全部売り切れ!」

娘は悲嘆に暮れた。私は密かにほっとした。

1時間後、娘は次なる緊急の要求を行なってきた。

「パパ、コンテストに応募していい? オタワでこのバンドに会えるチケットが当たるオンラインのファン向けコンテストを見つけたから」

私たちはオタワから約500キロ離れた場所に住んでいる。渋滞なしで、車で5時間。一方で、何十万人もの他の若い女の子たちが同じオンラインコンテストに応募するだろう。チケットに当選するよりも雷に打たれる可能性の方が高いくらいだった。

「応募してもいいけど、当選しなくてもがっかりし過ぎてはいけないよ」と彼女に言った。

「絶対当選するもん! そうなるって分かってる!」。娘は興奮して飛び跳ねた。

娘が期待を高く抱くのを私は止めようとした。

「多分当選しないよ。オンラインのコンテストなんだから、何百万人も応募するだろうね」

「それでも当選できると思う。行っていい?」と彼女は言った。子どもというのはとても楽観的だ。

「もし当選したら ――といってもかなり確率の低い「もし」だけど―― コンサートに連れていくよ。当選したらね」

そのいわゆるコンテストというのは、チケットを手に入れたけれどコンサートに行けなくなった、娘と同じくらいの年齢の姉妹によるものだった。姉妹は、ファンのチャットサイトでチケットを譲渡しようとしていて、娘が一番乗りで連絡した。

オッタワまではとても長いドライブだったが、ともあれ、叫び声を上げる何千人もの女性たちが、「ウォゥ ベイビー、アハー、イェー!」をかき消した。

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