1. ホーム
  2. 記事全訳
  3. 2019.9.27

The gift of salmon鮭の贈り物

このページを印刷する

金曜日はよく、北海道東岸の私のアートスタジオの近くにある小さなカフェでランチを取る。メニューはほとんど全て、夜間あるいは朝の夜明け前の時間帯に地元の漁船が魚市場に運ぶ捕り立ての魚だ。オーナーシェフが毎日のメニューを直前に決めて、開店直前に黒板に走り書きする。

ほとんどの人のように、私が季節の移り変わりに気付くのは、木々や花々の見た目、空気の香り、気温の変化、雲の形や国民の休日などに影響されている。しかし、それとは別にもっとかすかな季節の変化を、お気に入りのカフェのメニューに使われる魚を通じて、認識することを学んだ。

北海道では鮭の漁のシーズンは9月1日に解禁される。鮭は世界の多くの場所で楽しまれているが、日本では、鮭といえば概して北海道が連想される。鮭は、石狩鍋やちゃんちゃん焼き、鮭イクラ親子丼など、とても多くの北海道の代表的な料理で使われる。

地元の食文化における鮭の重要性は、本州からの日本人が北へ移って北海道に入植する前にさかのぼる。日本北部の先住民であるアイヌ民族の伝統食において鮭は大きな役割を果たしてきた。鮭を表すアイヌ語はチェプで、英語では「bread(パン)」が、日本語では「飯」が全般的に食べ物を意味するのによく使われるのと同じように、チェプは「食べ物」も意味する。このアイヌ民族の伝統食における主要な食料は、様々な方法で調理され、頭やヒレ、尾といった固い部分でさえも、全く無駄になる部分がない。鮭の有用性は、食事にとどまらない。鮭の皮は、例えば、アイヌ民族が冬用の頑丈なブーツを作るのに使われていた。

毎年秋になると、アイヌ民族は「アシリチェプノミ」(一年の初めての鮭を迎える)と呼ばれる祭りを開催する。祭りでは、蝶番で連結されたフックが付いた古代からのデザインのやりを使うアイヌ民族の伝統的な漁法のデモンストレーションや、アイヌの職人が仕事をするのを見る機会、また、アイヌ民族の調理法で料理されるたくさんの料理がある。祭りの中心には、アイヌ民族の年長者が伝統的な衣装をまとい、鮭という貴重な贈り物をくれたことを神々に感謝する厳粛な祈りの儀式がある。

アイヌ民族は、鮭が産卵するために川や小川に上ってきた後で鮭を捕ることを法的に許可された日本で唯一の人々だ。しかし、鮭の恵みを分かち合おうと川の土手を見回る北海道のツキノワグマなどの野生動物のことは何も止めることはできない。なぜなら、彼らも季節の進み方に注意を払ってきているからだ。

英文記事を見る

全訳トップへ戻る

広告の掲載について 詳しくはこちら

定期購読申込み定期購読申込み無料試読申込み無料試読申込み

Alpha Online ログイン

初回ログインの手順はこちらをご確認ください。

ID(メールアドレス)・PWをお持ちの方
※Fujisanマガジンサービスでご契約の方もこちらから

メールアドレス
パスワード

パスワードをお忘れですか?

Alpha Passコードをお持ちの方
※新聞販売店等でご購読・ご購入の方はこちらから

※初回ご利用の際には、Fujisanマガジンサービスにて、メルマガ会員へのご登録が必要です。

Alpha Passコード

メールアドレス・パスワードの入力も必要です。

メルマガ会員へのご登録
※新聞を購読していなくても登録できます

メルマガ会員になると、毎週の見どころを紹介するメルマガが届くほか、Alpha Onlineの英文記事を月5本までお読みいただけます。

メルマガ会員登録

※Fujisanマガジンサービスの提携サイトにてご登録となります

閉じる

定期購読申込み無料試読申込み

定期購読申込み無料試読申込み