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  3. 2019.10.4

Good guys and bad guys善人と悪人

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「誰がいい人たちで、誰が悪い人たち?」。これは、子どもの頃、祖母がアクションムービーを見ている途中で私が加わるときにいつも真っ先に尋ねていたことだ。祖母は私に詳細を教えてくれて、映画の残りの時間をいい人たちを応援して過ごしたものだった。

私の子どもの頃のほとんどは、単純な筋書きで、分かりやすく善であるか、分かりやすく悪であるかのどちらかの登場人物が出てくるアニメや映画で満たされていた。私が見たものが、「いい人たち」と「悪い人たち」の見え方についての私のイメージを形成していたことはほとんど知らなかった。大人になってからようやく、例外はごくまれにあるが、味方をするように意図された人たちは、肌の色が明るく、髪の色が明るく、やせていて、ひげが少ないことに気づいた。そして、アメリカのアクセントで話すことが多い。恐れられて、嫌われ、あるいは、敵として見なされるように設定された人たちは、その一方、その逆であることが多かった―肌の色が濃く、髪の色が濃く、身体が大きくて、ひげが生えていることがよくある。そして、イギリスやスラブ系、アジア系、中東系のアクセントが強い。

このことにもっと早く気がついていればよかったと思う。ニュージーランドで暮していた9歳のとき、ある日、私は思いがけなく一番に帰宅した。家に近づくと、電気通信会社の男性が乗っていたバンから出てきて、笑顔で私に近づき、配線工事を終わらせるために私たちの家に入る必要があると告げた。電気通信会社の男性は、肌の色が濃く、髪が長く、顎ひげが生えていて、体格が大きかった。いい者と悪者を長年見続けてきたことに基づく私の偏見が作動し、私は家に走って入った。近所の人に電話をして、泣きじゃくりながら「悪い男の人が私たちの家に入ろうとしている」と伝えた。近所の人がやってきて、全てを解決してくれた。電気通信会社の男性はすぐに、自分にも幼い子どもたちがいるので、近づくときにもっと注意を払わなかったことを申し訳なく思った。私は、彼の見た目に基づいてすぐさま彼が悪い人だと思い込んだだけだとは言わなかった。

電気通信会社の男性に謝りたい。見知らぬ人への対処の仕方を学校で教えられていたので、どんな人も家には入れなかっただろうが、彼がいい者の1人にもっと似ていたら私はもっと穏やかに反応しただろう。そうではなく、私の脳は彼のような人たちを見たら脅威だと思うように訓練されていた。

私たち、そして私たちの子どもたちがスクリーン上で観るものは、スクリーン上に留まるだけではない。この電気通信会社の人にまつわる経験は、私の中に残り、そのおかげで私は、読んでいるものや観ているものにもっと意識を向けて、疑問を持つようになった。善悪の間、白黒の間にますます区別をつけたがっているように見える社会において、他の人たちにも私と同じようにしてもらえたらと願うしかできない。

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