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  3. 2019.12.6

Terms of endearment愛称

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大好きな人たちに話し掛けるときに愛称を使う国があることに初めて気がついたのがいつだったかは分からない。たぶん、架空の登場人物が配偶者や子どもたち、孫などを「ハニー」「スウィーティー」「パンプキン」―「シュガーパイ」「カップケーキ」というものまで!―と呼ぶ本かアメリカの映画で気が付いたのかもしれない。日本で生まれ育った外国人の子どもとして、私にとってそれは想像し難いことだった。

私は幸せな家庭で育ち、両親は親切で愛情にあふれていた―彼らのドイツ系アメリカ人の先祖から受け継いだ控えめなやり方で。まれに、穏やかな話し方の母は私のことを「ハニー」と呼ぶことがあった。父はときどき、私ときょうだいを「サル」と呼んだが、それはたいてい、長く退屈な移動中に私たちがケンカをしているときだった。父は私たちに対して堪忍袋の緒が切れて、「サルども、車から放り出される前に落ち着かないか?!」といら立って叫んだ。

6歳くらいのときに、初めてアメリカへ行き、ビルおじさんに会った。彼は、父の妹の夫でラテン系だった。姪や甥に大人気だった。私もすぐにビルおじさんの大ファンになった。彼は子どもたちと一緒にいるのを楽しんでいるように見えて、私たちのくだらないおしゃべりに、本当に興味を示して耳を傾けていた。彼は私たちのことをさまざまな愛称で呼び、その多くはスペイン語だった。それらの言葉は、私の耳に砂漠に降る優しい雨のように響き、彼のような父を持ついとこたちがうらやましかった。

自分の子どもを持つようになったとき、その愛称の魅力を思い出し、私たちのこれからの家族では慣習にしようかとも考えた。しかし、「甘い」英語の愛称はやはりしっくり来なかったので、その試みは諦めた。その代わり、夫と私は子どもたちの実名と韻を踏んだおかしなニックネームを作った。家庭の中だけでこっそりと使う意味のない名前だったが、おかげで幸せとお互いの結び付きを感じた。

数週間前、私は夫を、私たちの間では愛称がないとからかった。それで彼は私をからかい返して、「ピックル(漬物)」と呼び始めようかと言った。彼は冗談で言っていたのだが、私は素敵なアイディアだと思った。私の機嫌がいいときは「スウィートピックル」、機嫌が悪いときは「サワ―ピックル」と呼んでもいいよと言った。この愛称が私たちの家にやがて根付くことを私はひそかに望んでいる。駄じゃれとして使われる可能性も大いにある。それに、同年代の多くの男性と同じように、夫は駄じゃれが好きだ。私は今、夫のことを呼ぶための同じくらいくだらない愛称を見つけなければならない!

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