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  3. 2020.1.10

Phobia art恐怖症アート

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あなたには何か恐怖症はあるだろうか? 私は、全く何も恐怖症がないという人に一度も会ったことがない。私個人は、多くの種類の虫に理性的にも非理性的にも恐怖がある。大きなクモは一番ダメだ。ゴキブリ、カマドウマ、ムカデ、カリバチ、その他刺したり、素速く予想不可能な動きをしたりする虫も怖い。
メールアート(郵便でやり取りするはがきなどの手作りのアート)―たいてい手描きのポストカード―のやりとりを楽しんでいるアーティストの国際グループに幾つか所属もしている。メンバーは誰でも、アートに特定のテーマを呼び掛けることができる。それに応えて、私たちはオリジナルのメールアートを物理的な場所か、アート作品が集められて一般公開されているウェブサイトに送る。数年前に、「恐怖症アート」というお題が呼び掛けられ、私も応募に誘われた。
この「恐怖症アート」の呼び掛けに、ムカデを描いた絵手紙を出して参加することにした。初めて見たムカデは、赤ちゃんだった息子の足に巻き付いていた長くて細いムカデだった。ムカデは毒があると聞いたことがあったので、息子に害を及ぼすのではないかと死ぬほど怖かった。息子を抱き上げてムカデが落ちるまで脚を振ると、床板の間のヒビにムカデは消えていった。もう何年も前のことだが、この経験の怖さがずっと記憶から離れない。
「恐怖症アート」の呼び掛けに参加すると決めたとき、モデルに使う本物のムカデはいなかった。それで、インターネットで写真を見て、体の構造を研究した。ムカデの生態についても少し学んだ。和紙のカードに絵を描いてから、言葉を添えた:「悪夢へようこそ。1匹でもゾロゾロ」。私の絵手紙は、この呼び掛けへの他の投稿作品と一緒にウェブサイトで公開された。
メールアートで他のアーティストが自分の恐怖症をどんなふうに表現するのかを見るのは興味深かった。高所恐怖症や暗所恐怖症、閉所恐怖症、広空間恐怖症、飛ぶことの恐怖、戦争の恐怖、孤独になることの恐怖など、私が知っていて理解できる恐怖症もあった。しかし、それまでに想像したのない恐怖症もあった―クラゲ恐怖症、郵便箱に手を入れることへの恐怖、ピエロ恐怖症、ドア恐怖症、風船恐怖症など。
この「恐怖症アート」の呼び掛けの後、虫を描くのに夢中になり、よく絵手紙に虫を描くようになった。絵に添える言葉を選ぶのは特に難しいが、楽しい難題だ。怖い生き物を描くほど、その体の色や模様の美しさをもっと知った。これは、私の虫恐怖症をいくらか克服するのに役立った。しかし、ほんの少しだけだ。

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