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  3. 2020.2.14

The end of Mighty Mo「マイティ・モー」の最後

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マリモは、北海道東部・阿寒湖の冷たい水の中で育つ深緑のビロードのように柔らかい藻の球だ。マリモは、糸状の藻―まとまって長い糸になる藻―の一種だ。マリモは通常、水面下の岩の影で育つか、湖底をふんわりと覆っている。しかし、特定の条件下ではマリモはボール状に成長する。阿寒湖は、浅いボウル状の形をしていて、水中の流れが湖底の砂の底面の上で優しくマリモを前後に転がすので、完璧な環境だ。このおかげで、マリモは清潔に保たれ、球体を形成することができる。

マリモは、アイスランドなど、北にある世界の他の地域でも見つけることができるが、そうしたマリモは阿寒湖のマリモとは大きさが比べ物にならない。阿寒湖に自生するマリモは、1920年以降、保護生物種に指定されていて、この湖からマリモを取ることは禁じられている。土産物屋で売られている小さな生きたマリモは、養殖されたか、保護が厳しくない湖で採取された自由に浮かんでいる繊維状の藻を手で丸めたものだ。

私は若いとき、マリモはペットのようなものだと思っていて、水を入れたジャーの中に入れて飼っていた。ずぼらな飼い主だったので、私のマリモは縮んで茶色くなり、やがて茶色い繊維状にばらばらになった。妹はしかし、ひたむきな飼育者で、彼女のマリモを長い間、生かし、育たせていた。彼女は注意深く観察して、日中は水面に浮かび上がり、夜になると再びジャーの底に沈むなど、その習性に気づいた。これは阿寒湖の野生のマリモが示すのと同じ行動だ。

妹は、アメリカの大学に通うために日本を離れたとき、最後まで残っていたマリモを連れて行った。アメリカに入国するときに空港の税関でマリモが没収されるのではないかと心配していたが、税関の職員はただマリモを興味しんしんで見つめて、満面の笑みで「かわいい!」と言っただけだった。

このマリモは妹の寮の部屋の窓辺で暮らし、彼女はマリモが毎日水の入ったガラスジャーの中で浮かび上がったり沈んだりするのを眺めていた。北海道が恋しくなったときには慰めになり、他の寮生にも大人気だった。でも、他の寮生は「マリモ」と発音するのが難しかったようで、「マイティ・モー」と呼んでいた。するとある日、寮の猫が妹の部屋に忍び込み、マイティ・モーを丸飲みしてしまった。それは私たち家族みんなにとって悲しい日となり、今日に至るまで、妹はマリモがいなくなってしまったショックを覚えている。私たちは再びマリモをペットにすることはなかった。

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