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  3. 2020.3.27

Characters個性的な人たち

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私が観たことのある最初の日本語の映画の1つは、名作『Shall we ダンス?』だ。私たちはこの映画を日本語の授業で勉強し、とてもきびきびと歩いて直角に鋭く方向転換した登場人物を私はいつも思い出す。私はそんな登場人物に魅了される―日常生活で見かける、さまざまな理由で目立つ人々に。行動がやや変わっていたり、とっぴだったりするからかもしれない。あるいは、行動のしかたや格好にとても一貫性があるというだけかもしれない。

私の近所には、これらすべてに当てはまる人がたくさんいる。お気に入りの人の1人は、私が「赤いベレー帽の女性」と私が呼んでいる人だ。彼女は小柄でとても高齢の女性で、いつも赤いベレー帽をかぶっている。私が彼女に初めて気がついたのは、ある日、電車で彼女が私と同僚に話しかけてくれたときだ。彼女は私達の後ろに座っていて、視界の片隅に彼女が微笑んでいるのが見えた。目が合うと、彼女は私たちみんなにどこから来たのか聞いた。それ以来、道ですれ違うときは私はいつも彼女にあいさつするようになった。彼女はいつもちょっと驚いたように見え、きっと私たちがどうやって会ったか忘れているのだろう。

もう1人私が好きな人物は、豆腐屋さんの人だ。彼はかなりフレンドリーで、接客の合間にギターをかき鳴らして何かの曲を歌っているのがよく見られる。彼はテレビ番組にも最近登場して、そのおかげで彼の顧客層が広がったのではないかと期待している。

以前よく見かけていたある人物は、今はもう近所にいなくなった。彼女の名前は、サカガミさんという。彼女はいつも静かな駅の付近でぶらぶらしていたので、私は彼女のことを「ステーション・レディ」と呼んでいた。彼女が孤独そうに見えたので、私は彼女を見かけたときはいつも努めてあいさつするようにしていた。あるとても寒い夜、家に帰る途中で、私は彼女が腕に何かを抱えているのに気がついた。私が彼女の前を通り過ぎると、彼女は突然私のことを呼んだので、私は立ち止まった。「あの、すみません」と彼女は話しだした。「あの、私は、子どもの本を何年も前に書いて絵も描きました。今でも何冊か持っています。いつもこのあたりで誰にあげようかと待っています。どうぞ」と、彼女が書いたツヤツヤのハードカバーの本を差し出し、私に手渡した。「どうぞお持ちください。日本語と英語で書かれています。何年も前に、神戸で大きな地震があったでしょう。私の本は、サンタが窮地を救ったお話です」。私は彼女のしたことに少し圧倒されて、何度もお礼を言った。このやりとりを、いかにささやかなものであろうと、私は忘れることはないだろう。

私は歩くときに鋭く直角に方向転換することはないが、私の行動のいくつかのために他の誰かにとっては私が個性的な人物になっているのではないだろうかと思う。もしそれで近所がより変化に富んだ面白いものになるのだとしたら、大賛成だ。

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