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  3. 2020.7.3

Life without a sharp edgeカミソリのない生活

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ひげはタトゥーのように、10年以上若者の間のおしゃれとなっている。最近の新型コロナウイルスのパンデミックで、多くの男性たちが「隔離ヒゲ」を生やしたし、休みの日にリラックスしてその結果を気に入ることにした人たちの「休暇ヒゲ」も一般的になった。カナダのジャスティン・トルドー首相は、威厳のある雰囲気を与えるきれいに切りそろえられたひげを生やして、クリスマスの休暇から戻った。

私は大人になってからほとんどの間、口ひげを生やしていて、初めて伸ばしたのは大学へ行っていたときだ。友人と家族は、顔を洗わなきゃとか、パブで酒が飲めるように老けて見せようとひげを伸ばしているだけだろう、などと言って、私をからかった。真実は、安全対策のためにひげを伸ばしていた。

学校の寮で暮らすことは、共用の洗面所を他の人たちが急いで出入りする中でまだ寝ぼけながらひげを剃るということを意味し、私はよく顔を切ってしまっていた。ある朝、上唇の真ん中の上のやりにくいところを剃っていると、誰かが私にぶつかり、安全カミソリを使っていたというのに、鼻の付け根を大きく切ってしまった。旧型のまっすぐなカミソリを使っていたら、鼻を切り落としてしまっていたことだろう。それ以来、私は口ひげを生やしている。

20代半ばに長いカヌー旅行へ行った結果、まばらな無精ひげが生え、かゆみが収まるまでの長さになったら、見た目もそれほど悪くなかった。それは90年代初めのことで、もう1人の邪悪な自分のように見えるような顎先のひげがはやっていたので、ほとんどの日に頬と喉のひげは剃っていたが、顎はふさふさにしていた。

父はあきれた顔をして、ビート族みたいだと言った。母も嫌った。私のひげは濃い色の毛の中に灰色の毛が混ざって生えてくる―ヘアスタイリストが「塩コショウ(ごま塩)」と呼ぶものだ。白髪交じりのひげを生やした息子を見て、母は年老いたように感じた。

全てのひげを生やしておくと、顔を暖かく保てる。これはカナダの冬には役に立つが、暑い日本の夏には不快だ。15年ほど前、東京の蒸し暑い8月の間は、もう耐えられなくて、頭全体にバリカンを走らせ、まゆ毛以外全て剃った。娘は、私が全部きれいに剃ったのを初めて見たとき、当時3歳くらいだったが、大声を上げて母親の後ろに隠れた。私が父親だと娘を納得させるのに20分近くかかった。

コショウよりも塩が多いひげになった今、3ヵ月以上美容院なしで過ごした後、娘が長く美しいクリ色の髪の毛をスタイリングするのにイライラして、私のバリカンを借りて、通常は軍隊に入ったばかりの軍人にしか見られないような長さにまで髪の毛を切ってしまったとき、私は同じようなリアクションをした。

少なくとも、娘はタトゥーはしなかった。

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