1. ホーム
  2. 記事全訳
  3. 2020.7.24

The mystery of mirror neuronsミラーニューロンの謎

このページを印刷する

先日、初めて聞く科学用語を耳にした。

それはテレビで放送された映画の中で使われていた。優れた探偵についての映画で、彼は他の誰よりも、犯罪者の気持ちに共感し、理解することができるために、悪者をいつも捕まえていた。どうやってやっているのだろう?彼は「ミラーニューロン」が豊富にあるからだという。何?これはサイエンス・フィクションだったのか?ミラーニューロンのことは聞いたことがなかったので、もちろんグーグルですぐ調べた。

ニューロンは私たちの体内にある細胞だ。私たち1人1人に、さまざまな機能―目や耳から脳へ知覚情報を運んだり、発話といった自発的な筋肉の活動を制御したりなど―のためのニューロン系統が何百もある。科学者たちは、ニューロンは体内の全ての細胞の中で最も多様だとみなしていて、互いに連絡を取り合ってさえいる。彼らは、ニューロン細胞により、私たちはそれぞれ独特な個人になると考えている。

ミラーニューロンは実在するが、かなり異論の多いテーマだ。1992年に神経科学者のジャコモ・リッツォラッティ氏の研究チームは、手を動かすのに使われる筋肉に脳がどのようにメッセージを送っているかを知るために、マカク属のサルの脳に小さな電極を埋め込んだ。予想されていたように、サルが活発に手で食べ物を口に運んでいたとき、かなり特定のニューロンが発火していた。その衝撃的な発見は、科学者たちが昼食の時間に食事をしているのをサルが見ていたときに起こった。人間が同じような動きをしているのをサルが見ているだけでも同じニューロンが発火した。その結果は一致していた:サルは見ていることを行動に移す。この「ミラーリング(模倣)」は、やがて2000年までに一般にも知られるようになってきた新たな研究につながった。

神経科学者のV・S・ラマチャンドラン氏は、ミラーニューロンがとても気に入って、議論を引き起こした。彼は、ミラーニューロンは人間の共感力や言語に関与していて、道具や火の使用といった人間の文化の出現を全面的に形成してきたと主張した。ミラーニューロンが適切に機能しなければ、その結果は自閉症となるとラマチャンドラン氏は考えていた。

他の説では、乳児のミラーニューロンは生後12ヵ月以前に行動を学べるようにしているとされている。心理学者たちは、ニューロンは身体的な活動だけでなく、行動の背後にある意図や感情も模倣できることを理論化した。形而上学者まで仲間に加わり、考えていることを読み解く影響を明らかにした。

しかし、20年が経ち、科学界は概して、こうした主張の多くの正当性について懐疑的な見方に傾いている。正常に機能しないミラーニューロンが自閉症を引き起こすという説は、一連の研究で自閉症の人と自閉症ではない人のニューロン系統の間にほとんど違いがないことが示され、誤りだと証明されたも同然だ。

しかしながら、一部の強い批判派でさえも、まねできるようにする上でこのニューロンがおそらく一役買っているだろうということは認めている。厳密にはどの行動がこのニューロンに頼っているのかについては、まだ多くの研究がやり残されたままだ。

私はこのミステリアスなニューロンに興味をそそられている。しかし、私の映画の探偵については、彼の超能力は実はちょっとしたサイエンス・フィクションだったように見える。

英文記事を見る

広告の掲載について 詳しくはこちら

定期購読申込み定期購読申込み無料試読申込み無料試読申込み

Alpha Online ログイン

初回ログインの手順はこちらをご確認ください。

ID・PW・Passコードをお持ちの方

ID(メールアドレス)
パスワード

パスワードをお忘れですか?

Alpha Passコード

※Fujisan以外でご購読の方は初回にメルマガ会員登録を行い、ログイン時にID・パスワード・Passコードの入力が必要です。

Passコードとは?

紙面2面の下部に記載され、毎月更新されます。

メルマガ会員へのご登録
※新聞を購読していなくても登録できます

メルマガ会員になると、毎週の見どころを紹介するメルマガが届くほか、Alpha Onlineの英文記事を月5本までお読みいただけます。

メルマガ会員登録

※Fujisanマガジンサービスの提携サイトにてご登録となります

閉じる

定期購読申込み無料試読申込み

定期購読申込み無料試読申込み