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  3. 2020.10.16

Flights to nowhere目的地のないフライト

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飛行機に乗るためだけにあなたは飛行機に乗るだろうか?

多くの人々がどうやらそうするようだ。オーストラリアのカンタス航空は最近、目的地のない観光フライト、より厳密に言えば、乗客をオーストラリアの上空で大きく周回させる7時間の景色の良いフライトを提案した。「グレート・サザン・ランド」の景色の良いフライトに用意された134枚のチケットは10分以内に完売となり、カンタス航空史上最速で売れたチケットとなった。

10月10日の飛行ルートには、クイーンズランド、ゴールドコースト、ニュー・サウス・ウェールズ、オーストラリアの人里離れた奥地が含まれ、乗客は、グレートバリアリーフやシドニーハーバーなど、さまざまな象徴的名所を一望できる。ウルルやボンダイビーチなど、低空での遊覧飛行が予定されている名所もある。

景色は素晴らしいに違いない。しかし、私はすぐにそのようなフライトに乗る気にはならない。

私は常々、フライトは目的を達成するための手段だと思ってきた。移動の一形態としてさえも、私の気に入っているものではあまりない。現実的に可能であればいつも、電車やフェリーに乗る方が好きだ。それらは断然移動が快適で、長い税関の行列や、厳しい安全検査、荷物制限のストレスに耐える必要もない。限られた足元の空間と、とても窮屈で混雑したフライトになりうるものの中で手足を伸ばせないことは言うまでもない。

ビジネスクラスの座席ならどうか? 私は、航空会社がスポンサーになった仕事の旅行のおかげで、飛行機でビジネスクラスに乗る機会が2回だけあった。その体験は、エコノミークラスでのフライトよりも確実に快適だったが、そのときでさえも、魅力を感じるのに十分なほどは際立っていなかった。本当に存分に楽しみたければ、たぶん、ホテルでの滞在の方がずっと満足感があるだろう。

カンタス航空に加え、全日本空輸(ANA)や台湾のエバー航空など他の航空会社も短い観光フライトを開始した。シンガポール航空もどうやら検討しているようだ―シンガポールの環境団体には歓迎されないニュースだ。概して、フライトは不要な温室効果ガスを排出する。多くの人々が、目的地のないフライトの二酸化炭素排出量と環境への負の影響は正当化できるのかと問いかけている。

しかし、業界の専門家たちは、高温多湿のシンガポールで飛行機はあまり長い間地上で待機することができないと述べる。飛行機のエンジンは少なくとも数ヵ月に1回は動かさなければならない。地元の航空ガイドラインに従って、パイロットもまた、飛行させるライセンスを持っている特定のタイプの飛行機について、90日ごとに3回の離着陸をする必要があるという。しかし、この要件はフライトシミュレーターを使ってでも満たすことができるかもしれない。

パンデミックでひどく打撃を受けている航空会社にとって、それは簡単に決められることではない。旅行を切望している乗客たちにとっても明快な状況ではない。目的地のない飛行機での旅行のチャンスをオファーされたら、あなたはどう考えるだろうか?

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