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  3. 2021.2.26

Systemic racism in Americaアメリカの制度的人種差別

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ジョー・バイデン氏が2020年のアメリカ大統領選挙に勝利した後、ワシントンにあるアメリカ連邦議会議事堂は1月6日、嘘と陰謀説、バイデン氏の選挙が不正だったというあからさまなプロパガンダを信じ込んだ右翼のテロリストたちによって、暴力的包囲攻撃に見舞われた。選挙は不正ではなかった。この包囲事件を理解するためには、アメリカにおける投票と人種差別の関係を理解する必要がある。

この国家が始まった当時、投票は制限されていた。アメリカ合衆国憲法が書かれたとき、投票できた人は国家の創設者たち自身のような白人の裕福な地主だけだった。彼らは黒人、女性、アメリカ先住民、年季奉公奴隷、労働者階級には投票する権利を認めなかった。その後の233年間、この国は生き延びてきたが、アメリカの歴史は偏狭さ、暴力、人種差別で満ちている。

誰もが偏見を持ちうる。しかし、アメリカにおける人種差別は、制度の一部になっている。この制度は、権力と機会と資源を、白人だけにとどめておき、有色人種からは遠ざけできた。投票を制御することは、このプロジェクトの重要な一部だ。アメリカの長い歴史の間ずっと、黒人たちは投票する権利を何度も何度も勝ち取っては失ってきた。直近の4年間は、多くの州が有色人種には投票を難しくしていた時代への逆光だった。黒人やラテン系の人々から選挙権を奪うためにあらゆる汚い手段が使われてきた。同時に、この制度は有色人種に対する警察の残忍性と人種差別にもつながっている。それが「ブラック・ライブズ・マター(黒人の命は大切だ)」の活動家たちが抗議していることだ。

1月6日の暴動は当時の大統領のドナルド・トランプ氏に原因があると人々は糾弾したが、もっとよく見てみると、まさしくアメリカ的な病の症状はトランプ氏だけのことではないということが明白になる。トランプ氏は、恐怖に基づいた蔓延する保守的なマインドセットを利用したおかげで当選した。保守派は、白人が多数派を占める状態が廃れることを恐れている。

アメリカは移民の国である。アメリカ国勢調査局は、有色人種の人口が2043年までに過半数になると予測している。このことは、何が何でも権力を持ち続けようとする保守派の白人を恐れさせている。改ざん、不正、あからさまな強欲により、彼らは民主党支持の有権者の投票を抑圧したいと考える。彼らは、完璧なリーダーをトランプ氏の中に見出した。独裁的で不誠実で強欲な支配者であるトランプ氏は、絶対権力と白人至上主義のイメージキャラクターだった。彼は退陣するかもしれないが、政治から離れるわけではない。実際には、人種―そして人種差別―はアメリカ人の生活を大いに形成し続ける。民主党のリベラル派は、公民権と投票の法律を可決させたが、制度的人種差別というがんを根絶させることに一度も成功してこなかった。しかし今、新たなリベラル派の大統領が登場し、この醜いアメリカ的な病への報いがついにあるかもしれない。もしそうでなければ、この病はアメリカの民主主義の息の根を止めるかもしれない。

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