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  3. 2021.4.30

The magic of junkがらくたの魔法

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がらくた。くず。ごみ。廃材。これらは全て捨てられるものですよね?ときどきがらくたを見て「なんてもったいない!」と思うことがある。アーティストの富田菜摘さんは、しかし、大きなものや小さなもの、今生きているものや先史時代のものまで、あらゆる種類の生物を見出す。彼女は、がらくたとみなされている金属やプラスチックのかけらといった素材を手に取り、それらを美しく、表情が豊かな優れた芸術作品に変貌させる。

3月に、私はようやく彼女の展示会を見に行く機会を得た。彼女の作品は、複雑な彫刻が施されたアンティークの家具と一緒に展示されていた。廃材から作られた芸術作品とアンティーク家具がどう合うのか定かではなかったが、その組み合わせは2種類の「古さ」を示していた。アンティーク家具の魅力は、その始まりへとあなたを連れて行ってくれる古い物であることだ。かたや、富田さんの作る生き物たちの魅力は、それらが合わさって新たな始まりを与えられた古いものたちであるということだ。

初めて彼女の生き物たち(私はそれを「スクリーチャーズ」と呼んでいる)を見たら、その生き物そのものに見える。ガラパゴス諸島のカメや、カメレオン、ティラノサウルスだ。しかし、もっと近づいてみると、より面白い。それらの生き物のパーツがどれだけ丁寧に考え抜かれているかが分かるのだ。最初はカンガルーの尻尾に見えていたものが、もっとよく見てみると、実はギターのネックである。ボトルのキャップはタツノオトシゴの体になり、捨てられたフライ返しは、ライオンのたてがみの精巧な一部になっている。

気に入った作品がたくさんあったが、特に見て素晴らしいのは、プラスチックのスプーンの頭で、思いもよらない時に壁からあなたをじっと見つめているヤモリだと思った。どの動物も、それぞれ名前と性格がある。近くでそれぞれの生き物を見てみたとき、私はその1匹1匹にそれぞれ独特の表情があることにも気がついた。金属やプラスチックの動物に表情があるなんて思わないだろうが、富田さんの作品にはそれぞれにある。楽しんでいるように見えるものもいれば、威嚇しているように見えるものもあり、また威厳があるように見えるものもある。その全てがまさに魔法のように見える。

富田さんの作品には本当のユーモアと驚きのセンスがある。1つ1つの作品をよく観察すればするほど、彼女の世界にますます引き込まれていく。私はいつしか、これらの生き物たちと一緒に暮らしている自分を想像していた。彼らはお互いに何を話しているのだろう?私は仲良くなれる?油を差すのはどのぐらい頻繁にする必要があるだろうか?

本当に感動して、想像力をかきたてられる芸術作品を見たのは久しぶりだった。富田さんの廃材から作られた生き物に深く感銘を受けて、彼女の次の取り組みを見るのが待ちきれない。私はもうすぐまた1ヵ月間の片付けをしようとしているところだが、富田さんの展示会の後では、自分のごみを見る目が変わるような気がしている。

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