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  3. 2021.5.7

Peak experiences至高体験

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今日は妙なことが起こった。それは顔を平手打ちされたような感じだったが、ほんの数秒で消え去った。私はドアの外へ出掛けようとしていて、犬をリードにつなぎ、暖かな4月の太陽の下にいて、ほんのつかの間、自分が、本当の自分自身が私の肉体の中に「滑り込んでくる」体験をした。それはまるで今まで住んだことのなかった入れ物を手に入れたような感じだった。この「出来事」が起こったとき、私の内なる声は、「やった、ついに!」と言った。自分の命と肉体、その動き、思考、選択、運命を完全に手に入れた感覚だった。するとやがて、それはなくなった。失望でも劇的なことでもない。いつもどおりの生活だ。パッ!

この出来事から、数年前に、瞑想の一種を練習する仏教のグループに少しだけ参加したときのことを思い出した。私は熱心に取り組む人ではなかったが、瞑想のセッションの最中に、また別の妙な体験をした。私の存在そのものが溶けて光の粒子になり、星のように、閉じた目の後ろで宇宙へと流れていく感じがした。数秒後、目を開けると平常の状態だった。瞑想のグループは私の体験に感心していたが、正直に言うと、私は少し怖かった。

私はそれ以来、アメリカの心理学者、アブラハム・マズローのことを勉強している。彼は「人間心理学」の立案者の1人だった。彼の理論は、私たちの行動を決定づける5つのカテゴリーの人間の欲求があるというものだった。彼はそれらをピラミッドとして描いた。最下層に生理的な欲求、次に安全の欲求、その次に愛と所属の欲求、それから自尊心の欲求、そして最後に最上層に自己実現の欲求があり、ここで人は潜在能力の全てに到達することができる。

人は基本的なニーズが満たされると、1つ高いレベルへ、自己実現に達するまで上っていく。物理的な欲求は、金銭的に安定している方が満たされやすい。安全の欲求は、脆弱さを克服するために知識を活用できるときに実現する。教育も人を地域につなげ、所属している感覚を深める。学ぶことと教えることを通じて、自信と自尊心が発達する。こうした人間の欲求と充足感の原則は、世界中でたくさんの宗教や形式化された慣習において表されてきた。

1943年にマズローは「至高体験」という概念を紹介した。「至高体験」とは、人がその瞬間に完全に生きていて、高い幸福感と超越を感じている変化した意識の状態だ。至高体験は人生を変えるようなものである場合もあるが、日常的に達成できるものでもある―楽しい瞬間や、完全に生きている感覚をもたらす瞬間である―と彼は考えていた。彼は、こうした至高の状態は、ピラミッドの上層のレベルにいる人の方が達成しやすいと考えた。今この瞬間を生き、人生の今に存在して集中することで、至高体験が得られるようになる。

私はもう至高体験を恐れておらず、さらにあることを楽しみにしている。

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