さまざまな考えが頭の中を駆け巡った。
「勉強することがたくさんある」「家族にどう伝えるべきか?」「もっと広い家が必要になるだろう」
「おむつはどうやって替えるんだろう?」
今年、妻は私をリビングに座らせ、私の暮らしがこれまでとは変わることを告げた。私は父親になるという。
このときの素晴らしくも身のすくむような知らせに対する自分の反応をこれからも覚えているだろう。というのは、一部にはそれが人生を変えるような瞬間だったからだというのもあるが、妻がこっそり私の反応を録画していたからだ。
このときの私の気持ちは、驚き、興奮、喜び、そしてもちろん、少しの怖さが同じくらい混ざったものと言い表せるだろう。いや、かなりの怖さかもしれない。
しかしこの頃は、子どもの誕生が近づくにつれて、わくわく感が上回っている。
ベビーベッドの組み立てでも、服やおもちゃを選びに店に出かけることでも、その特別な日に向けた準備をしているととても楽しい。最近、私は子どもの初めての本の買い物をし、自分が子どもだったときの物語やキャラクターに再会して、とても素晴らしい時間を過ごした。私が子どもだった頃から世界はこれだけ変わってはいるが、今でもドクター・スースとピーター・ラビットの本が手に入る。
世界の他のほとんど全てのことと同じように、新型コロナウイルスのパンデミックは妻の妊娠にも大きな影響を及ぼしてきた。
まず第一に、それは、私たちのこのニュースをどうやって他の人たちに知らせるかを変えた。新たな祖父母に直接会って知らせるのではなく、ズーム会議を設定して、ささやかな秘密を明かすクリエイティブな方法を考案した。とても楽しかったが、実際に会ってお祝いすることに代わるものはない。
新型コロナウイルスの状況が今後数ヵ月で改善しない限り、病院の規則により、私は子どもの誕生に立ち会うことが許されない。初めての子どもに会えるまでの居ても立っても居られない家での待機になるだろうと想像できるが、それが新型コロナウイルス感染症(COVID-19)時代の不運な現実だ。
ここ数ヵ月もまた、とても謙虚にさせられる経験になり、子育てについて自分がいかにほとんど知らないかを実感した。本を読んだり、YouTubeの動画を見たりしてたくさんの時間を過ごしてきたが、当然、まだ学ぶことがたくさんある。究極の試験に向けて勉強をしているような気分だが、同時に、本や動画から学べることは限られている。
間違いもあるだろう―こっちでは後ろ前に履かされたおむつ、あっちではミルクがこぼれた哺乳瓶。重要なのはそうした間違いを払いのけて、そこから学び、次にもっとうまくやることだと私は言われた。
この試験は1時間で合格または不合格になれるものではない。