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  3. 2022.5.6

The octopus danceタコダンス

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私は最近よく友情について考えている。友情は実は語るのが最も難しい種類の人間関係だと思う。誰かと恋愛関係を始めるときは、その関係における主要な段階を言い表す語彙がある。「デートをする」、「別れる」、「結婚する」あるいは「離婚する」ことができる。仕事の関係では、「契約を更新する」、「業績の評価を受ける」、あるいは「退職する」ことができる。

だが、友情においては、突然友人同士になるまでずっと、誰かと「一緒に過ごす」だけだ。これからも友人であり続けるだろうと想定される。しかし、仕事の関係とは違って、業績の評価を与えたり、受けたりすることはない。そしてきっと誰もが、片方あるいは両方が友人として本当はもっとうまくできたはずだったという友情関係を少なくとも1度は経験していると思う。

この1年に、私は残念ながらある友人と距離を置かなければならなくなり、別の友人とは縁を切らなければならなくなった。どちらの友情関係もゆっくりと、しかし、確実に、バランスが崩れていった―私が彼らに対して持っていた量の敬意と思いやりが戻ってきていなかった。これらの友情関係を失うことは、恋愛関係の別れと似ている。傷つくこと、怒り、罪悪感がある。それでも、友情関係の終わりを表す特定の語彙はないと思う。

ありがたいことに、今でも私の友人の輪にいてくれることを私がとてもありがたく思っている人たちがいる。最近、そうした人たち数人としばらくぶりに一緒に過ごす機会がようやくあった。私たちは大阪にたくさんある川の1つの隣に立つ何本かの桜の木の下で春に会い、川を通り過ぎていくさまざまな周遊船に手を振った。

荷物をまとめ始めたとき、私は友人の幼い娘にタコの踊り方を見せると約束していたことを思い出した。私は次に、タコがノリノリのビートに合わせて踊るように腕を動かした。その女の子の母親も加わった。私は彼女の動きを正した―「違う違う…そうじゃないよ。それじゃあイカのダンスになってるよ」―そして彼女は動きを少し変えた。すると、その女の子の父親も加わった。別の友人が見上げて、私たちの大きくなっていくタコダンスの輪にすぐに入ってきた。「私たち何をやっているの?」と彼女は尋ねた。「タコダンスだよ」と、さも世界で最も普通なことであるかのように私たちは返事をした。周遊船が通り過ぎる中、川岸沿いで公衆の面前で腕を激しく振り回す30代と40代の男女は、1分のうちに7人ほどになっていた。

こうした人々が友人だ:私が好きな人たちだ。私たちはいつも連絡を取り合うわけではないかもしれないが、お互いのために頼られるべき存在としていて、お互いを思い合っている。友情関係の破局や、友情関係に入る瞬間のことを言い表す言葉はないかもしれないが、1つだけ確かなことがある:この特定の友人グループと一緒に、私たちは友情のタコダンスのステージにいると私は自信を持って言うことができる。

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