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  3. 2022.5.20

Not just another shopかけがえのない店

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書店というのは他の店とはちょっと違うのではないだろうか?

書店チェーンの紀伊國屋書店がシンガポールにある3店舗のうち1店を閉店するとニュースが伝えたときには、多くの本好きたちが落胆と悲しみをインターネットで表現した。

3年前、私たちは紀伊國屋書店の別の店舗―日本以外のアジアの国では紀伊國屋初の店舗―に別れを告げたばかりだった。閉店理由は、この書店が36年間あったショッピングモールが再開発のために取り壊されるためだった。

地元の新聞『ザ・ストレーツ・タイムズ』でのインタビューで、紀伊國屋書店のアジア太平洋グループを統括する川上幸弘部長は、2つ目の閉店では賃貸料が主な問題だったと語った。2020年に新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックが発生した後、賃貸料を支払い続けられるように手助けするため、政府は助成金を提供してきた。しかし、シンガポール政府が多くのパンデミック関連の規制を緩和し始めるにつれて、そうした助成金は打ち切りとなった。

川上部長は、「このパンデミックの間、私たちはほぼ確実に善戦していたが」、COVID-19の流行前でさえも店舗では客足が減っていたと付け加えた。

ここ数年の間、大きな店も小さな店も、多くの書店が私たちの海岸から姿を消した。最も象徴的なものの中には、学校で良い成績を取ってもらった商品券を持って、私が喜んで本を買いに行っていたMPHもある。それから、1997年に主要なショッピング街のオーチャード・ロードにオープンしたボーダーズもだ。当時のシンガポールで最大だったこの書店は、アメリカの親会社ボーダーズ・グループ初の海外出店だった。シュリンク包装された本はなく、客はソファーやアームチェアーでくつろぐよう促された。予算が限られた学生だったとき、ボーダーズで買う余裕のないたくさんの本を読みふけってのどかな午後を過ごしたのを覚えている。

地元の著作家のニール・ハンフリーズ氏は、フェイスブック投稿で最も的確に言い表した。「本屋は他の店とはちょっと違う。本屋が映画館と同じくらい何度も見限られた―そしてどちらも生き残っている―理由は、その体験と媒体のためだ。あなたはどこでも映画を見ることができ、本を買うことができるが、それは触って分かる共同社会的な体験だ」。彼は、シンガポールがブッカー賞、オスカー賞、エミー賞の受賞者を生み出したければ、私たちに多くの書店と賑わうブックコミュニティーがいかに必要かについても書いた。

皮肉なことに、シンガポールの優れた公立図書館のシステムが、書店に負の影響をもたらしてきたのではないだろうかと思う。ほとんど全ての地区に図書館があり、新刊を含め、豊富な本が所蔵されている。多くのシンガポール人が本を買うのをやめた理由はこのためだろうか?

特にシンガポールは比較的裕福な国なのだから、書店に賃貸料の割戻金と消費税の免除を与えるというハンフリーズ氏の提案を私はいいと思う。彼は書店を「値段が付けられないほど貴重な教育」と呼ぶ。

彼が言うように、「私たちは書店を通じて世界と出会う。書店を取り上げられたら、私たちは本当に、とても小さな島になる」。

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