私のソーシャルメディアアカウントは、同志のリベラル派に限定されている。2024年の大統領選挙後、私のフェイスブックアカウントは、信じられないという投稿で溢れかえった。私たちはみな、カマラ・ハリス氏をとても強く支持していて、ハリス氏が大統領選に敗れたときは動揺していた。主なニュースメディアの論説は全国民の衝撃を反映していた。またしても、報道機関と世論調査はドナルド・トランプ氏のことを過小評価していた。民主党員の中には気をもんでいる人たちもいる。トランプ氏が公約している関税により価格の上昇が予想され、借金の返済する計画をする人たちもいる。永遠にこの国を去ると脅している人たちもいる。ほとんどの人は、民主主義が終わり、私たちは1人の狂気の男に支配されると恐れている。
今回は前回とどう違うのか? トランプ氏は2016年に大統領になり、彼の行動にもかかわらず、この国は崩壊しなかった。彼は、ヨーロッパの同盟国と私たちの国との北大西洋条約機構(NATO)を終了させようとしたが、議会が彼を止めた。2020年の選挙を覆そうとしたトランプ氏の試みと、ウクライナにおけるトランプ氏の権力乱用にもかかわらず、この国は生き残った。今回が違うのは、共和党が上院と下院の両方で過半数を勝ち取ったことだ。
共和党が主導権を握る議会は、合憲であるか否かのチェック・アンド・バランスがほぼ機能せず、トランプ氏にほぼ無制限の権力を与える。ロシア、北朝鮮、トルコの独裁的政治指導者に対するトランプ氏の尊敬は、民主党派に最悪の事態を恐れさせている。
民主党派はまた、プロジェクト2025を恐れている。この922ページのプランは、行政権を強固にし、国の政府に対する保守的な変更―退役軍人、医療福祉、気候変動、教育への既存の資源の多くをほぼ確実に無効にするか、弱体化する変更―について概説している。トランプ氏は、選挙期間中にはプロジェクト2025を知っていることを否定していたが、現在はこれを書いた人の何人かを彼の政権に指名している。
彼は内閣の役職に忠実な人たちを指名した。多くは不適任で、34の重罪で有罪判決を受けたトランプ氏とほとんど同じように過去にスキャンダルや犯罪経歴のある人もいる。トランプ氏が頻繁に人を解任することで、または、彼らがトランプ氏のひどい態度のために離職するため、とても不安定な政府を生み出す。
では、大統領に適任ではないこの男はどうやって再選を獲得したのか? 意見は分かれている。経済、移民、中絶。人々が変化を求めた。福音派の有権者の急増。世界的な右傾化。そして、アメリカの人種差別という暗部がトランプ氏の攻撃的な演説によって表面化したこと。彼の発言は不寛容な人々の間で暴力と憤慨を解き放っている。この11月、ネオ・ナチ派がオハイオ州で行進を行なった。ヘイトクライムはトランプ氏の1期目以降、増加してきた。
私の意見はこうだ:トランプ氏は3回大統領に立候補した。彼は、2020年にはバイデン氏に負けた。しかし、2回勝った―どちらも女性に対してだ:2016年はヒラリー・クリントン氏に、そして今年はカマラ・ハリス氏に。銃が大好きで、威張り散らす男性中心社会のアメリカは、ただ単に、そして悲しいことに、女性が、ましてや有色人種の女性が、国のトップに立つ準備ができていない。それがトランプ氏の切り札だった。