フランスの裁判所は10月30日、ウナギの稚魚60キロを中国行きの飛行機の荷物に載せて密輸しようとした2人の中国人に有罪判決を言い渡した。
ヨーロッパウナギの稚魚—身体が透明であることから「glass eels(ガラスのウナギ)」と呼ばれる—は、中国では1キログラムあたり5,000ユーロ(60万5,000円)で売れる。地元検察は、この事件は「急拡大している新しい形の密輸」の一部だと述べた。
20歳の女性と44歳の男性は10月28日、フランス南西部のトゥールーズ市を出発した後、経由地のパリのシャルル・ドゴール空港で止められた。
職員らが2人の4つのスーツケースの中を確認したところ、水が入ったビニール袋の中にウナギが入っているのを見つけた。ウナギは「シラスウナギ」としても知られている。
各袋は断熱材でくるまれていた。
パリ近郊のボビニーの裁判所は、密輸と生物多様性に対する犯罪として、この2人に執行猶予付き10ヵ月の禁錮刑と、それぞれ7,000ユーロ(84万4,999円)の罰金刑を言い渡した。
専門家によると、ヨーロッパウナギの個体数は、乱獲と汚染、ダム建設による回遊ルートの阻害が組み合わさリ、近年急激に減少しているという。