2021年には世界が新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックの丸2年目に突入したが、富裕国ではワクチンが入手しやすくなり、希望の兆しもあった。東京オリンピック・パラリンピックはその希望の象徴だった。
東京オリンピック・パラリンピックは、新型コロナウイルスの感染者数が増大する恐れをめぐって1年延期されたが、このスポーツの華やかな祭典は国民の反対に直面しても開催された。
オリンピック・パラリンピックを開催する決定は―厳しい条件の下で、また、ほぼ無観客で―は、日本にとって報いとなったようだ。この開催国(日本のこと)は、野球男子での初の金メダルを含め、オリンピックで過去最高の27個の金メダルを獲得した。パラリンピックでも13個の金メダルを獲得し、過去最高クラスとなった。
この一年は、民主主義が攻撃にさらされる年でもあった。
1月6日に、当時の大統領のドナルド・トランプ氏の支持者らは、アメリカの国会議事堂を襲撃した。彼らは、その1ヵ月前にあった大統領選挙は、ジョー・バイデン氏を支持する民主党によって盗まれたというトランプ氏の繰り返される嘘の主張を信じていた。
ミャンマーでは、軍部が政府を支配する言い訳として不正選挙という主張を使い、他方、香港では中国政府寄りの選挙のルールが可決された。
2022年が近づく中、新型コロナウイルスの変異株オミクロン型が急速に広がっており、いくつかの国々では再びロックダウン(都市封鎖)に戻っている。国々はまた、ワクチン拒否と経済活動の再開の願いとも戦っている。