西欧諸国とその同盟国は6月16日、スイスで行なわれた首脳会談で、ロシアによるウクライナ侵攻を非難したが、最終的な共同声明に加わるよう主要な中立国を説得できず、そして、次回の会合を主催すると申し出る国はなかった。
ウクライナのヴォロディミル・ゼレンスキー大統領の要請で、スイスのアルプスにあるリゾート地で開かれた2日間の会談に90ヵ国以上が参加した。この首脳会談は、ロシア政府が招待されなかったにもかかわらず「平和サミット」と銘打たれた。
ロシア政府はこの首脳会談を遠くから嘲笑した。中国が不参加を決めたことで、グローバル・サウス(広い地域の新興国や発展途上国)の主要諸国を説得してロシアを孤立させるというウクライナの目標がこの首脳会談では達成不可能となることがほぼ確実だった。
ブラジルは「オブザーバー」としてのみ出席した。そして、より広い支持を集めることを期待して、意見の割れるいくつかの案件は含まれなかったにもかかわらず、インド、インドネシア、メキシコ、サウジアラビア、南アフリカは全て、この首脳会談の声明に署名することを最終的に見送った。
第二次世界大戦以降、ヨーロッパで最も血の流れた戦いとなった過酷な塹壕戦で両国から何万人もの死者が出ているにもかかわらず、ウクライナの前線は2022年の年末からほとんど動いていない。
スイスのヴィオラ・アムヘルト大統領は閉会のあいさつで、「この先に続く道は長く、困難だ」と警告した。