ドナルド・トランプ氏は1月20日、すし詰め状態のアメリカ議事堂の円形広間で、就任の宣誓をした。ここでトランプ氏を取り巻いていたのは、8年前とはとても異なるアメリカ政府だった。
8年前、トランプ氏が就任の場で「アメリカの殺りく」について演説をした際には、共和党議会の多くが、彼が掲げた政策課題の最も過激なものに抵抗するべく静かに準備をしていた。
今は、共和党員たちはほとんど全員一致で、この大統領を支持している。トランプ氏をかつては拒絶した世界の首脳たちと企業のCEOたちが式典に出席していた。
広がる支持とアメリカ政府内での共和党員たちの団結した力にもかかわらず、トランプ氏の2期目の大統領職はそれでもなお障害に直面している。トランプ氏と共和党の指導者たちは下院での僅差の過半数や党内で見解が対立する中、税金を削減し、国境を強化し、移民を強制送還し、エネルギー生産を強化する大規模な法案をもくろんでいる。
「社会の支柱が崩れ、完全に荒廃したようにみえる状態に陥る中、長年にわたって過激で腐敗した支配層は国民から権力と富を搾取してきた」と、トランプ氏は就任演説で述べた。「この瞬間から、アメリカの下降は終わる」。