世界には文字通りなら数十のアバディーンがあるが、アバディーンは1つしか存在できない。この元来のスコットランドの都市には、12世紀以前のスコットランド王、ウィリアム1世の時代にさかのぼる歴史がある。
まずは近くのバンチョリーまでドライブから。ここへは「ナショナル・サイクル・ネットワーク」でも行くことができる。16世紀の愛らしい小さな縦型の城・クラシス城を訪れよう。それはカントリーハウスで本当は城ではないと繰り返し聞かされるだろう。そういう人のことは気にしないでいい。そうではなく、その複雑な小塔網に迷い込み、美しく色が塗られた天井に見惚れよう。時間があれば、遠回りをして流れ落ちる「フーの滝」を見に行こう。
それからダノター城跡へ出かけ、崖の上に立つ孤独な城の古典的でロマンある写真を撮ろう。風に髪を吹かれながら、スコットランドの地主のように北海をデンマークの方角を見つめよう。
もちろん、アバディーンには女王エリザベス2世のお気に入りの家、バルモラル城もある。城のほとんどは、女王陛下の私的空間であるため、立入禁止になっている。しかし、うれしいことに、一部は一般公開が許可されている。城内の博物館と庭園、そして豪華なボールルームも見ることができる。
アバディーンに戻り、通りを巡って、なぜここが花こう岩の都市と呼ばれているのか見てみよう。名所には、どんよりした花こう岩の壁と家々が数世紀の歴史を覆う元漁村・フットディー・ビレッジや、呪いのあるアーチ状の橋・ブリッグ・オ・バルゴーニなどがある。その呪いが何であるかは言わないでおくが、もしあなたが一人息子だとしたら、たぶん、この橋を馬に乗って渡らないほうがいいだろう。