世界の心配事をあなたの頭の中からなくすのに、遠く離れた楽園を旅すること以上のよい方法はない。それが長い間、実現できそうにないからといって、夢に思い描くことすらできないわけではない。読者の皆さんに、サン・カルロス・デ・バリローチェをご紹介しよう。
アルゼンチンの魅力的なパタゴニア地域にあるややスイスのようなこの場所は、都市としては歴史が浅い―100年にすぎない―が、あらゆる点で素晴らしい。ナウエル・ウアピ湖の南の湖岸に位置するこの都市は、毎朝、1枚の写真ポストカードのようなアンデスの眺めとなって目覚める。
ほとんどの旅行者は、バリローチェをこの地域での優れた冬のスキー場への玄関口として利用する。セロ・カテドラルは南半球最大のスキー場で、海抜2,000メートルほどを走る果てしないスキーができ、ナウエル・ウアピ湖の素晴らしい眺めも見られる。
夏は、バリローチェから国内最古の国立公園「ナウエルウアピ国立公園」へ行くことができる。ここでは、パタゴニアの豊かな自然があなたを迎え入れる。木々に覆われた見事な景色の中を、ハイキング、またはマウンテンバイクでサイクリング、もしくは馬に乗って進もう。
バリローチェに戻ると、なぜここがアルゼンチンのスイスと呼ばれるのかが分かるだろう。特に、新ゴシック様式の大聖堂のある中心的なシビックセンターなど、建築物はひときわアルプス風の外観をしている。この街はスイス愛に全力を注いでいるので、全国一のチョコレートを買うことができるのも、もちろんこの場所だ。
最後に、息を飲むような眺めに飽きていなければ、チェアリフトに乗って、カンパナリオの丘の頂上へ行くと、最高の湖の眺めが見られる。これでこそ旅行と呼べる。