トルコ西部の小さな町ではあるが、セルチュクは、ギリシャからビザンティンまで、古代文明に近いことから、人気の観光地になっている。
ここへのどんな旅行でも最大の見どころは、古代ギリシャの都市エフェソスだ。初めは紀元前10世紀に築かれ、その黄金時代はローマ帝国の始まりの間だった。ここでは古代世界の七不思議の1つアルテミス神殿の史跡を見ることができる。これは全体が大理石で建てられたギリシャで最初の神殿で、壮大だった―全長100メートルを優に超える。現在、今でも立っているのはその127本の柱のうちの1本だけだが、優秀なガイドならその歴史的な文脈を埋めるのを助けてくれるだろう。
エフェソス周辺を散策して、他にも過去の栄華の見事な名残を見てみよう。ギリシャの勝利の女神ニケの見事な石像がある。最大2万5,000人が座って試合や剣闘士の対決を見物した広大な円形競技場もある。2世紀に建設され、約1万2,000本の巻物を所蔵していたかもしれない立派なケルスス図書館もある。アヤスルクの丘へ向かってビザンティンの要塞と、バプテスマの聖ヨハネの墓をを訪れよう。
「テラスハウス」を歩き回る時間を取って、裕福な人々がどんな生活をしていたのか見に行き、壁や床の装飾を鑑賞しよう。
それは別な時代と別の文化が垣間見える素晴らしい見物だ。
この古代都市にはもっと多くのものがあるが、同時に、セルチュク付近の見どころはそれだけではない。
少し車で移動すると、キリストの母の最後の家と言われ、今は神殿になっている「聖母マリアの家」が見られる。外には、巡礼者が「願いの壁」に希望や祈りを書いた紙や布を留めている。