12~13世紀の間、イタリア中部の町ヴィテルボは、ローマ教皇たちが100キロ南のローマのストレスから逃れるお気に入りの場所だった。
現代の訪問客にとっては、しかし、ここを訪れるもっとスリリングな理由がある―「サンタ・ローザの山車運び祭り」で毎年恒例の行進を見物することだ。この高さ30メートルのタワー(サンタ・ローザの山車のこと)が旧市街地の狭い通りを通って運ばれるところを見に大勢の人が集まる。元々の「山車」は、1258年にこの市の守護聖人だったサンタ・ローザの遺体の移動を記憶に残すために作られた。
山車のデザインは定期的に変わり、現在のものは夜の行進を最大限に活かすためにライトで覆われている。この行進は、山車が約5トンあり、もし山車が崩れれば、男性たち―そのうちの何人かは直接山車の真下にいる―がけがをするリスクがあるからこそさらにエキサイティングなものになっている。
この祭りの時期を外しても、他にも見どころはたくさんある。教皇宮殿には1257年から1281年までローマ教皇が住み、美しい空間を残していて、広い階段に面している。ここで次の教皇が決められていた。
ヴィテルボには、多くの歴史的な教会があり、その中には近くのサン・ロレンツォ教会も含まれ、ここには内装に色彩豊かな14世紀のフレスコ画がある。
最後に、サンペレグリノ地区へ向かい、外階段という変わった特徴のある中世の家屋の並ぶ通りを眺めよう。ヴィテルボは、こうした階段のある国内では数少ない場所の1つだ。外階段は、動物や穀類を貯蔵するのに使われていた地下階の上にある1階の入り口につながっている。