イランの大統領選挙で強硬派の司法長官が圧勝、最高指導者(ハメネイ師)の愛弟子がイラン政府における民間の最高地位に押し上げられたと同時に、イスラム共和国史上最低の投票率を記録した。
イブラヒム・ライシ師は、1988年に政治犯数千人の集団処刑に関与したという理由ですでに米国から制裁を受けているが、有力な対抗馬らが失格となったため、6月19日の投票は戴冠式の様相を呈した。
そのため投票ボイコットを呼びかける声が高まり、多くの人が実際に自宅にとどまったたようで、5,900万人を超える有権者のうち投票したのはわずか2,890万人だった。その中の約370万人が誤って、あるいは意図的に票を無効にしており、その数は過去の選挙で見られた無効票数をはるかに上回った。
イラン国営テレビはすかさず、新型コロナウイルスのまん延と米国の制裁が低投票率の原因だと伝えた。しかし低投票率と無効票は、厳しい締め付けのもと行なわれた選挙に対する不満の広がりを示唆している。