退任するアンゲラ・メルケル独首相は12月2日、16年の任期を終えた彼女に別れを告げる連邦軍開催の式典で、国民に対し、敵意に立ち向かうよう呼び掛けた。
メルケル氏は、誰も招待されなかった極右政党「ドイツのための選択肢」を除く同国のほぼ全ての政界エリートらを前に、伝統的な軍楽演奏と行進で栄誉を称えられた。
「私たちの民主主義は、憎しみや暴力が自己の利益を主張するための正当な手段であると考えられる場合、民主主義者としての私たちの寛容さには限界があるという事実からも成り立っている」と、彼女はベルリンでの式典に先立つ演説で述べた。
式典ではメルケル首相が選んだ3曲を軍楽隊が演奏し、その中には東ドイツ出身のパンク歌手、ニナ・ハーゲンの1974年の曲「カラーフィルムを忘れたのね」もあった。
メルケル氏(67)は12月8日に社会民主党のオラフ・ショルツ氏によって首相の座を引き継がれる予定だった。
メルケル氏は後任に重責を残す。彼女はドイツおよび欧州を幾度となく危機から救い、世界的な独裁主義の台頭の中で自由民主主義の擁護者として活躍してきた。