北京冬季五輪は2月4日、「鳥の巣」と呼ばれる競技場での雪と氷をテーマにした式典で幕を開け、式典は2人の若い中国人オリンピック選手(うち1人は少数民族ウイグル族の一員)が聖火台に点灯して終わった。
極寒の夜に中国の首都で行なわれた演出のなかで習近平国家主席は五輪開幕を宣言したが、その準備は新型コロナウイルスのまん延と中国の人権問題への批判に悩まされた。
新疆ウイグル自治区出身であるクロスカントリースキーのジニゲル・イラムジャン選手(20)はノルディック複合で出場する趙嘉文選手(21)と共に聖火台に点灯、ここ数十年の中国のオリンピック選手らが最終ランナーとなった聖火リレーを締めくくった。
ジニゲル選手の参加がひときわ目を引いたのは、中国政府によるイスラム系少数民族ウイグル族への対応(米政府は大量虐殺とみなしている)が米国を含む西側諸国数ヵ国の外交ボイコットの引き金となったためだ。
中国は人権侵害の疑いを否定しており、式典で一体化の精神を伝えようとした。