マグダレナ・アンダーソン首相は5月16日、スウェーデンは数日中にNATO加盟を正式に申請すると発表したが、同国およびフィンランドの加盟プロセスは、NATOの一員であるトルコの大統領がどちらの試みも認めないと述べたことで暗礁に乗り上げた。
スウェーデンとフィンランドがNATOに加わるにはNATOの全30加盟国の承認が必要だ。批准手続きは最長1年かかるとみられていたが、トルコの反対でその見込みも怪しくなった。
トルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領は記者団に対し、スウェーデンとフィンランドはわざわざ代表団をアンカラに派遣してトルコに加盟を支持してもらうよう説得する必要はないと語った。
「どちらの国もテロ組織に対する態度を明確にせず、公表もしていない」とエルドアン大統領は述べた。「どうすれば信用できるというのか?」
彼はスウェーデンを国会(リクスダーゲン)にテロリストがいるテロ組織の「温床」と呼んだ。
ロシアによるウクライナ侵攻は、欧州の安全保障構造を揺るがし、冷戦時代に米国主導のNATO同盟から外れていたスウェーデンとフィンランドは、どちらの側につくかを迫られている。