北米大陸の大部分で大勢の天体観測者が、4月8日の昼間の暗い空に黒く染まった太陽を見上げ、7年ぶりに大陸を暗くした皆既日食を歓声や音楽、結婚式で祝った。
日食が上陸した場所に近いメキシコのビーチリゾートから、オハイオ川のほとり、さらに北は米国とカナダの国境でごう音をとどろかすナイアガラの滝を越えて、大勢の人たちが「皆既(天体が完全に覆われた)状態」の光景に畏怖と喜びの表情を浮かべた。
アーカンソー州唯一の原子力発電所にほど近い人口約3万人の都市ラッセルビルでは、「駆け落ちして日食(elope and marry にかけた表現)」と題された集団結婚式が行なわれ、約400組が月影のもとで結婚した。
ナイアガラ・フォールズ州立公園に集まったおよそ2,000人のうち、少なくとも2組が結婚式を、1組がプロポーズを行なったことが分かっている。
北米の広範囲を縦断した皆既日食は2017年以来初めてであり、2044年までに米国本土で見られる最後の皆既日食だった。