ドイツの次期首相となる見込みのフリードリヒ・メルツ氏は、自ら率いる保守派が国政選挙で勝利したことを受け、連立政権の樹立に向けた協議を開始した。この選挙では、極右および極左政党が、不満を抱える有権者の支持を取り込む形となった。
欧州最大の経済国ドイツが低迷し、移民問題で社会が分裂、安全保障では対立的な米国と主張の強いロシアと中国に挟まれている状況で、閣僚経験のないメルツ氏は就任することになる。
オラフ・ショルツ首相の不人気な連立政権が崩壊し、支持が分散した選挙で極右政党「ドイツのための選択肢」が第2党に躍進し、69歳のメルツ氏は厳しい連立協議に直面している。
「私にとって絶対的な優先事項は、欧州をできるだけ早く強化し、米国からの真の独立を一歩一歩達成することだ」とメルツ氏は2月23日に語った。
暫定結果によると、メルツ氏が率いる保守派「キリスト教民主・社会同盟」が得票率28.6%で第1党となり、極右「ドイツのための選択肢」の過去最高得票率となる20.8%を上回った。