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第4回 スマートに文を長くする「分詞構文」

前回に引き続き、2018年9/21号の一面記事「大坂なおみ、日本勢初四大大会制覇」の第2段落のセンテンスを使い、今回は後半部分について解説していきます。

 

 

前回のレビュー

前回は、センテンスの前半部分について、品詞や文型といった骨組みを捉えるとともに、「過去分詞の後置修飾」について解説しました。とりわけ、主格の関係詞とbe動詞(who was)を省略しないと、文体としてカッコ悪いということを学びました。

In the players’ second meeting, Osaka (S) kept (V) her record (O) unblemished (C) against the player regarded by most as the best-ever

グレー=名詞(名詞句/名詞節も含む) 、下線=形容詞(形容詞句/形容詞節も含む) 、
=副詞(副詞句/副詞節も含む)

カッコイイ the player regarded by most as the best-ever
カッコ悪い the player who was regarded by most as the best-ever

 

なぜ「分詞構文」を使うのか?

前半部分
In the players’ second meeting, Osaka (S) kept (V) her record (O) unblemished (C) against the player regarded by most as the best-ever,

後半部分
dominating the first set and then overcoming a 3-1 deficit in the second to deny Williams a record-equaling 24th Grand Slam Trophy.

このセンテンスの後半は、dominatingという動詞の現在分詞形から始まり、さらにovercomingが続き、「分詞構文」になっています。「分詞構文」は難しいと感じる人は多いと思いますが、なぜプロのネイティブのライターはこの文法を頻繁に使うのでしょうか?

もうお分かりですね?

はい、「カッコイイから」です。(笑)

 

「分詞構文」を使わないと、どれだけ稚拙になるかを検証

前半部分
In the players’ second meeting, Osaka (S) kept (V) her record (O) unblemished (C) against the player regarded by most as the best-ever,

後半部分
dominating the first set and then overcoming a 3-1 deficit in the second to deny Williams a record-equaling 24th Grand Slam Trophy.

このセンテンスの後半部分(便宜上、in the secondまで)を「分詞構文」を使わずに表現してみると、このようになります。

and dominated the first set and then overcame a 3-1 deficit in the second
「そして第1セットを優勢に進め、その後第2セットでは3-1の劣勢を乗り越えました」

前半部分Osaka (S) kept (V)を見ると、動詞は過去形のkeptとなっているので、それに合わせて、dominatingはdominatedに、overcomingはovercameとします。そして、前半部分と結ぶために接続詞のandを置くと、上記のようになります。

それでは、分詞構文を使わない形を前半部分と繋げて、全体を読んでみましょう。

In the players’ second meeting, Osaka (S) kept (V) her record (O) unblemished (C) against the player regarded by most as the best-ever and dominated the first set and then overcame a 3-1 deficit in the second
...

 

なんとカッコ悪いことでしょう!(笑)

keptを使った後に、and dominatedが来て、さらにand then overcameと3連続で単純な動詞の過去形が続いています。

我々日本人からすると、むしろこちらの方が分かり易くてよいと感じるかもしれません。しかし、小学生でも書けるような、非常に稚拙なスタイルになってしまうため、ネイティブのプロのライターは代わりに「分詞構文」を使って、シャープで引き締まった文体にするのです。

In the players’ second meeting, Osaka (S) kept (V) her record (O) unblemished (C) against the player regarded by most as the best-ever

カッコ悪い and dominated the first set and then overcame a 3-1 deficit in the second
...


カッコイイ, dominating the first set and then overcoming a 3-1 deficit in the second
...

 

分詞構文を使うことで、スマートに文を長くすることができるのです。

表現解説:
dominate「支配する」、dominate the first set「第1セットを支配する」=「第1セットを優勢に進める」、deficit「不足、赤字」、3-1 deficit「3-1で負けていること」=「3-1の劣勢」

 

最後に来る「to不定詞」の用法を確認

dominating the first set and then overcoming a 3-1 deficit in the second to deny Williams a record-equaling 24th Grand Slam Trophy>.


「to不定詞」の使い方として最も一般的なのは、「~するために」という「目的」の用法ですが、ここでは「目的」の意味にはなっていません。

「(その結果)ウィリアムズに歴代タイとなる24回目のグランドスラムのトロフィーを渡さなかった」という、「結果」の用法になっています。

文末で「to不定詞」を使う代わりに、新たなセンテンスを始めて、このように表現することも可能です。

As a result, she denied Williams a record-equaling 24th Grand Slam Trophy.
「その結果、彼女はウィリアムズに歴代タイとなる24回目のグランドスラムのトロフィーを渡さなかった」

しかし、このくらいの情報であれば、わざわざ別のセンテンスに分けて伝えなくても、「to不定詞」の「結果」の用法を使って、文末に付け加えることで、より端的に表現することができるのです。

表現解説:
deny 人 モノ「人にモノを与えない」 (= not allow someone to have something)
deny Williams a trophy「ウィリアムズにトロフィーを渡さない」
record-equaling「記録と等しくなる/記録と並ぶ」=「歴代タイとなる」
似た表現として、record-breaking「記録破りの」=「新記録の」も覚えておくとよいでしょう。

 

重要な情報を全て1つのセンテンスに盛り込む技

今回のセンテンスは、以下のように、3つのセンテンスに分けることも可能です。

In the players’ second meeting, Osaka (S) kept (V) her record (O) unblemished (C) against the player regarded by most as the best-ever.

 

She dominated the first set and then overcame a 3-1 deficit in the second. ⇒「分詞構文」に

 

As a result, she denied Williams a record-equaling 24th Grand Slam Trophy. ⇒「不定詞」に

しかし、このようにすると、Osakaの代名詞としてSheを2回も使う必要があり、さらに、As a resultのような余計な表現も追加しなければなりません。実際に3つのセンテンスに分けてみると、冗長な印象が否めないことが分かります。

そこで、2文目を「分詞構文」に、3文目を「不定詞」にすることによって、より洗練された文体にするとともに、重要な情報を全て1つのセンテンスに盛り込むことが可能になるのです。

In the players’ second meeting, Osaka (S) kept (V) her record (O) unblemished (C) against the player regarded by most as the best-ever, dominating the first set and then overcoming a 3-1 deficit in the second to deny Williams a record-equaling 24th Grand Slam Trophy.

 

「和訳英文戻し」にチャレンジ

私のリーディング指導では、最終的には、「和訳英文戻し」(スラッシュごとに和訳から元の英語が言う)ができるようにすることで、読解力を養成しながら同時に発信力も鍛えることを目指しています。このコーナーの読者の皆さんも、ぜひ「和訳英文戻し」にもチャレンジしてみてください。そうすることで、より文の構造や意味も掴み易くなるはずです。

両選手の2度目の対戦で In the players’ second meeting,
大坂は対戦相手に対して無敗の記録を守り Osaka kept her record unblemished against the player
ほとんどの人にこれまでで最高の選手とみなされていた regarded by most as the best-ever,
第1セットを優勢に進め dominating the first set
その後第2セットでは3-1の劣勢を乗り越え and then overcoming a 3-1 deficit in the second
ウィリアムズに歴代タイとなる24回目のグランドスラムのトロフィーを渡さなかった to deny Williams a record-equaling 24th Grand Slam Trophy.

英文読解の基礎
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