今週の1面記事は、新型コロナウイルスの感染拡大にもかかわらず、多くの人が通勤しているという話題です。
いきなり超重要事項が出てきました。冒頭のWith face masks onは「マスクを着けて」という意味だというのは何となく分かったかもしれませんが、なぜこのような意味になるのか、きっちり理解していますか?
<with+A+B>のようにwithの後に何らかの2つの要素を続けることで、「AがBの状態で」という意味を表します。Bには形容詞・副詞、現在分詞、過去分詞、前置詞句が使われます。
◆ Don’t speak with your mouth (=A) full (=B:形容詞).
(口が〔食べ物で〕いっぱいの状態でしゃべるな)
◆ I can’t concentrate with kids (=A) running around me (=B:現在分詞).
(子供たちが私の周りを走り回っている状態では集中できない)
◆ I always sleep with the window (=A) closed (=B:過去分詞).
(いつも窓を閉めて寝ている)
◆ I did not get anything done with my son (=A) at home (=B:前置詞句).
(息子が家にいて、仕事が何も進まなかった)
ご覧の通り、いずれもwithの後にyour mouthとfullなど「何らかの2つの要素」がつながっていますね。文法的にはこれが表す意味を「付帯状況」と呼ぶようですが、そんな小難しい名前はどうでもよいです(それにしても、こうした文法用語を最初に考えた人ってセンスがないな)。大事なのは、その「機能」。これは「どんな状態であったのか」を描写するために使われる構造です。Bの位置には、上に挙げた4つのパターンがあるので覚えておきましょう。もちろん、同様の内容をwhen kids are running around meのように文章の形で表すこともできますが、withを用いて、文章の形を使わずに文章と同じ内容を表すこの形は、ある意味洗練された印象を与えることができます。そのため、ネイティブスピーカーは特に書き言葉でこの構造を多用します。