今週の1面は、新型コロナウイルスの影響で、富士山がこの夏、閉山されるという話題です。
前半は「富士山はこの夏、登山者たちに閉ざされることになった」。ここでは「~に閉ざされる」のbe closed toに注目。日本語的な発想をしていると、自分で英語を使うときにこのtoが出てこないのではないでしょうか。「登山者に開かれている」ならopen to climbersです。同じように、「登山者に閉ざされる」場合にもclosed to climbersが使われると覚えておきましょう。
その後のmeasure(措置、対策)は英文記事の頻出語。どんな「措置」なのかを、後ろのaimed(狙っている)以下が説明しています。「コロナウイルスの拡大を防ぐことを狙った(=目的とした)措置」ということです。さて、ここではin a measure の形で使われていますが、直訳すると「措置の中で」ということ。日本語で考えると、何だか前半の「富士山が登山者たちに閉ざされる」と自然につながらないなと思われた方がいるかもしれませんね。そうです、つながりません。それは、日本語で考えていることがそもそもの原因。英語の文は、必ずしも自然な日本語に訳せるものばかりではありません。日本語に置き換えようとすると、すっきりしないものも多いのです。とにかく英語と日本語は違うということをしっかり認識することが大切。この文も、日本語で考えれば少し釈然としないかもしれませんが、英語的には100%正しい文です。in a measure aimed at ~(〔直前の内容は〕~を目的とした対策である)という言い方を、英語特有の表現であると割り切って覚えておきましょう。