今週の1面は、菅義偉新総理誕生のニュースです。
まずはYoshihide Sugaという固有名詞の後に、カンマで区切ってその説明the chief Cabinet secretary of Prime Minister Shinzo Abe(安倍晋三首相の官房長官)が続いているという構造に注目しましょう。英文記事に慣れた人なら、「Suga,」という形を見た瞬間に、この後は菅氏を説明する要素が続くと予測したうえで次を読みますよ。こうした「予測」は、素早い読解の助けになります。前半は「安倍晋三首相の官房長官である菅義偉氏は9月14日、与党(ruling)自民党の国会議員と(都道府県連の)代表によって、党の新総裁に選出された」ということ。
その後にカンマで区切ってsettingというing形が続いていますね。これは、この講座で数え切れないくらい扱ってきた構造です。完成した文の後に続くing形は、前の文に情報を付け加える働きがあります。ingの前にandを補って解釈するのがコツでしたね。
◆ A bomb went off in a crowded market, wounding 15 people.
(混雑した市場で爆弾が爆発し、15人がけがをした)
さて、ここではsetting him on course to…という形が使われていますが、「この表現を知らないから解釈できない」なんて思ってしまった人はいませんか? こうしたものは「知っている/知らない」ではなく「分かる/分からない」という観点で見ることが大切。つまり、たとえ知らなくても意味を推測するようにしましょう。「知っている/知らない」という観点で捉えていると、全ての表現を暗記していないと解釈できないということになってしまいますよ(もちろん、そんなことは非現実的です)。set himは「彼をセットする」。on courseは「コース(course)にのっている」感じ。toは「~に至る」。よって、「~に至るコースに彼をのせた」という意味です。全体的には「日本の次期リーダーになるというコースに菅氏をのせた」。要するに「与党である自民党の総裁選に勝ったことで、次期首相になることが決まった」という意味を表しています。
余談ながら、最後をJapan’s next leaderとしたのは、序盤でPrime Ministerを使ったため、一文の中でのPrime Ministerの繰り返しを避けるためでしょう。