先日、2歳の娘の枕をふざけて使ったら彼女が本気で怒り出して、顔を引っ掻かれて傷ができてしまいました。体は小さいのに力は強いので、気をつけなければいけませんね。
今週は毎年恒例、新語・流行語大賞が発表されたという記事です。
まずSanmitsu(3密)という日本語の後に「―」(ダッシュ)が使われています。これは機能的にはカンマと同じく、前の語との間に区切りを入れるためのものですが、「ここで一度止まって、次をじっくり読んでくれ」という具合に、カンマよりも読者に対して注目させる効果が強いという特徴があります。特に本文のように「―」が前後に2つある場合は「( )」と同じような使われ方になるので、「( )」に置き換えて読むと分かりやすいですよ。
さて、最初の「―」の後にorが使われています。これは第33回で扱いました。orは「AまたはB」から転じて、直前の語句を言い換えるという用法もありましたね。
◆ Jinja, or a Shinto shrine
(神社、つまり神道の聖堂)
◆ Uluru, or Ayers Rock
(ウルル、またの名をエアーズロック)
本文では、Sanmitsuと言われても当然外国人読者には分からないので、orで言い換えることで説明を加えています。「3密」とは、すなわちthe “Three Cs” approach(「3つのC」のアプローチ)ということ(なぜ「C」なのかは、この後分かります)。全体は「3密(密閉された空間、密集した人混み、他者と密接した状況を避けることで新型コロナウイルス感染症を予防するための「3つのC」の取り組み)が12月1日に日本の今年の流行語(buzzword)大賞に選ばれた」という意味です。「3つの密」という意味で「3密」という言葉が作られましたが、この「3密」の英訳でも日本語と同様に「統一感」を重視して、closed spaces(密閉された空間)、crowds(密集した人混み)、close-contact situations(他者と密接した状況)という具合に、全てCで始まる言葉で合わせているというわけです。