この「編集長の英文読解術」は、今回が新年一発目の更新。皆様、明けましておめでとうございます。今年はコロナの影響で、静かに年末年始を過ごした方が多いことでしょう。僕も、子どもと近所の公園をはしごしたり、年末恒例のTV特番「プロ野球 戦力外通告」や「超常現象Xファイル」などを見たり、その他たまっていた仕事を片付けたりなど、何ら特別感のない過ごし方をしました。コロナの一日も早い収束を願うばかりです。
さて、今回解説する1月8日号の1面では、「2021年、国内外の展望」という特別記事を掲載しました。今年の国内、海外で起きると予想されることをコンパクトにまとめています。
recurrentはやや難しいですが、大切な語でもあります。これは「繰り返される」という意味の形容詞。主語は「2020年の年末に繰り返されたテーマは」ということ。何が繰り返されたのかというと、「困難な年の最後に、広まった(widespread)安心(relief)」です。ここだけでは、「安心」がどういうことなのか分かりませんが、過去に何度かご説明した通り、英文記事の第1パラグラフは、全体の「予告編」のような側面もあります。reliefの意味は、この後で分かるようになっていますよ。だから、この段階で分からなくても気にしない。
後半のbut以降ではchallengesという語に注目しましょう。日本語で「チャレンジ」と言えば「挑戦」という意味が真っ先に浮かぶと思いますが、「挑戦」⇒「挑戦するような課題」から、「難題、困難」のような意味で使われることもあります。
◆ The world faces the challenge of drastically reducing emissions of greenhouse gases.
(世界は、温室効果ガスを大幅に削減するという難題に直面している)
本文は「(安心が広がったものの)2021年は2021年の課題を運んでくるだろう」という意味を表しています。