下の娘(先日3歳になりました)は「大きくなったら何になりたい?」という質問に対して、ずっと「パパのプリンセス」と答えていたのですが、最近それが「アイスクリーム屋さん」に変わってしまい、僕は落胆していました。また「パパのプリンセス」と言ってくれないかなという期待を込め、改めて「大きくなったら何になりたい?」と聞いてみたところ、今度は「しいたけが食べられるようになりたい」という、妙に現実的な目標に変わっておりました。こうして成長していくのでしょう。
さて、今回は今のところ現職のトランプ米大統領が2度目の弾劾をされるという記事です。紙面では締め切りの関係で、弾劾直前の記事を掲載いたしました。
このパラグラフは重要ポイントが目白押しなので、じっくり解説します。まずimpeach(~を弾劾する)、impeachment(弾劾)という語から。「弾劾する」=「罷免する」と理解している人もいるかもしれませせんが、これは厳密な意味では正しくありません。広義の「弾劾」は、大統領など公職にある人に重大な問題があると判断された場合に、彼・彼女を罷免する一連のプロセスを指します(その意味では、「弾劾=罷免」もあながち間違いではないかもしれません)。一方狭義では、罷免するプロセスの最初として、下院で弾劾条項が提出され可決されることを「弾劾される」または「弾劾訴追される」と表現します(その後「弾劾裁判」が開かれて、有罪が確定すれば最終的に罷免となる)。本文のimpeachは狭義の「弾劾訴追をする」を意味すると考えておきましょう。
冒頭部分は「アメリカ議会(House)は1月12日、ドナルド・トランプ大統領の弾劾に向けて一歩踏み出した(took a step)」ということ。その後のforに注目しましょう。過去に何度か扱っていますが、「~のことで、~に対して(非難・賞賛・感謝・逮捕する)」という意味を表すにはfor ~が使われましたね。
◆ They criticized him for not wearing a face mask.
(彼らはマスクを着用していなかったことで、彼を批判した)
こうした「型」がしっかり頭に入っていると、理解が速いですよ。本文のimpeaching President Donald Trump for…もcriticized him for…と同じ構造をしているのが見えましたか? このように、英文を理解するには基本の型を頭に入れた上で「あれと同じだ!」と気付くことが大切です。本文はfor the deadly Capitol attackなので「死者を出した議事堂(Capitol)の襲撃のことで(弾劾訴追する)」という意味。deadlyは辞書を調べるといろんな意味が載っていますが、英文記事では主に「(攻撃・事故などが)死者を出した」という意味で使われます。