今週は、カンヌ国際映画祭で濱口竜介監督ら2人が、日本映画として初めて脚本賞を受賞したという記事を解説します。
「映画監督の濱口竜介さんと脚本家の大江崇允さんは7月17日、毎年のカンヌ国際映画祭において最優秀脚本賞を受賞した」に続く、for Drive My Carに注目しましょう。Drive My Carが作品のタイトルであることは分かったかと思いますが、その直前になぜ前置詞のforが使われているのか分かりますか? いつも言っているように、こうした前置詞の用法に「何となく」は禁物。なぜその前置詞が使われているのか、しっかり説明できるようになることが大切です。forには〈非難・賞賛などの理由〉を表す用法があります。具体的には、以下の例で押さえておきましょう。
◆ He was criticized for not wearing a face mask.
(彼はマスクをしていなかったことで非難を受けた)
◆ We thanked her for helping us.
(私たちは助けてくれたことで彼女に感謝した)
◆ He was fined for speeding.
(彼はスピード違反で罰金を取られた)
このように、「~のことで非難・賞賛・感謝・罰する」という場合、非難や賞賛などの理由(「~のことで」)をforで表します。こうした前置詞の用法は、「あれと同じだ!」と気づくことが理解のスタート。本文の「~(という作品)で受賞した」も上記の例文と同じパターンであることに気が付きましたか?