今週は、緊急事態宣言の対象地域が6都府県に拡大されたという記事を取り上げます。この時は日本全体が五輪のお祭りムードでしたが、やはりそうした中にあっても伝えるべきニュースは大きく伝えるという方針から、この話題を1面で扱うことに決めました。
まず「緊急事態」はstate of emergency。これは何度も英文記事に触れている方なら、定着したのではないでしょうか。本文では、enteredという動詞を使って「緊急事態に入った=緊急事態宣言の対象地域となった」という意味を表しています。enterについて、「(部屋などに)入る」以外にも、こうした使い方もするということを確認しておきましょう。冒頭は「大阪府と東京首都圏の3県が8月2日、新型コロナウイルス感染症の緊急事態宣言対象地域に指定された」という意味です。
その後にdue toという〈理由〉を表す語句が続き、緊急事態宣言の対象地域拡大の理由が述べられています。due to a recent spike in coronavirus casesなので「コロナウイルスの感染者の最近の急増(spike)により」という意味ですが、ここでは前置詞のinに注目しましょう。何となく見過ごしてしまいがちですが、このinを使いこなせるようになると表現力が大きくアップする重要事項ですよ。inには以下の例のように「~の点において」という意味があります。
・similar in many ways(多くの点で似ている)
・differ in many ways(多くの点で異なる)
・equal in size(サイズが等しい)
・rich in calcium(カルシウムが豊富な)
・surpass others in beauty(美しさの点で他より勝る)
このようにinは「~の点において」という意味で幅広く使われます。スピーキングでもライティングでも、このinをしっかり使える人は少ないのではないでしょうか。ぜひ押さえておきましょう。本文では「コロナウイルスの感染者における急増」という意味です。