今回は、香港の新選挙制度のもと、初の選挙が行なわれたという記事を取り上げます。
まずは今回実施された香港の選挙について簡単に説明しましょう。これを知っていると、この記事が理解しやすくなります。
今回投票が行なわれたのは、行政長官(香港政府のトップ)や立法会議員を選ぶ権利を持つ「選挙委員(定数1,500)」の選挙です。英語ではElection Committee。第1パラグラフではThe 1,500-member panelという表現も使われています。香港では今年、新たな選挙制度が導入されて「愛国者による香港統治」ということが掲げられました(もちろん中国共産党への愛や忠誠を意味する)。「資格審査委員会」によって候補者の事前審査が行なわれ、中国政府に批判的な民主派はほとんど立候補することができないなど、問題を抱えた選挙となったわけです。
以上を踏まえてこのパラグラフを読んでみると、意味が見えやすくなるのではないでしょうか。前半は「香港の次期首脳を選ぶ1500人の選挙委員には、反対派寄り(opposition-leaning)の委員が1人しかいないことになる」という意味です。