the japan times Alpha

通訳者・橋本美穂さんに聞く Alphaの読み方—少しずつでも毎日英語に触れる習慣を

Miho Hashimoto

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日本を代表する通訳者の橋本美穂さん。金融、IT、医療、広告など幅広いビジネス分野からエンターテインメントまで、これまで6,000件以上の通訳案件を担当されています。テーマや話し手に合わせた発声、抑揚、豊かな表現力には定評があり、ふなっしーやピコ太郎の通訳ではユーモアを交えた絶妙な瞬訳が話題になりました。
そんな英語のプロに、英語学習者が「The Japan Times Alpha」をどう読めばよいか、無理なく読み続けるコツなどをお伺いしました。

通訳者としてプロフェッショナルを極める橋本さんですが、実は中学生の息子さん、ビジネスマンの旦那さんと共にご家族で「The Japan Times Alpha」を購読されているそう。英語レベルも、興味の対象も違う3人が、それぞれどんな風にAlphaを読んでいるのでしょうか。

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Alpha、我が家でも購読していますよ!
Alphaが届くと、まず息子が封を開けます。彼はまず表紙を眺めて、興味があれば読みますし、興味がなければ「シネマ倶楽部」という映画コーナーに行くみたいです。映画のワンシーンの会話文(英文と和訳)が紹介されているんですよね。
そして「This Week’s OMG!」という、世界のびっくりニュースのコーナーへ。家に押し入った強盗を最初はやっつけたけど、最後は食事を与えたおばあさんの話など、「聞いて!こんなことあったんだって」と私に話してくれます。

Alpha front page

中学生ならではの記事チョイスですね。学校や塾の勉強から少し離れて、英語を楽しく読む時間があるのは学生さんにとって貴重でしょう。また「This Week’s OMG」のおもしろ仰天ニュースは親子のコミュニケーションのネタにもなっているんですね。

その後、夫へと新聞が回ります。
夫はビジネスマンで、英会話を勉強している中級者にあたります。仕事に活かせる In the Workplace というカテゴリーを好んで読んでいます。ここでは、実際に職場で出てきそうな会話文とか、ちょっと困ったことがあった時に英語でどう切り抜けたらいいのかといったTipsがたくさん載っています。
それから、私も好きな、国内外の企業を紹介する「Business Spotlight」。この企業にはこんな歴史背景があったのか、こんな取り組みをしているんだ、といった話題がコンパクトにまとまっているので、仕事でも使えます。

101

In the Workplace内の連載「英語でお仕事101」。英語で仕事を進めるうえでの様々なアドバイスを提供します。

In the Workplace のコーナーには、ビジネスの現場ですぐに使える連載が週替わりで登場します。気に入ったフレーズなどはメモしておくと、実際の会話やEメール、プレゼンですぐ使えますね。
さて、旦那さんが読んだらそろそろ橋本さんの順番でしょうか…

最後にやっと私に順番が回ってきます。私はまずヘッドラインを全部読みます。今世界で何が起きているのかを斜め読みし、時事ネタを拾っていきます。仕事で何が出てきても「あっ、あの話ね!」と記憶を呼び戻せるように、情報をインプットしています。

渋谷の記事

ハロウィン目的で渋谷の駅前に来ないよう、渋谷区長が呼びかけたニュース(9/29号)。橋本さんがこの件で外交人記者向けの会見の通訳を担当された際に記事が役立ったそう。

その他に私が好きなコーナーは、「Odds&Ends やさしい英語の正しい使い方」です。私は英語ネイティブの方が英語の使い方について解説する記事がとても好きなんです。例えば “Do you play the violin?”と聞かれて、”No, I can’t”と答えた場合と、”No, I don’t” と答えた場合と、微妙なニュアンスの違いなどを丁寧に説明してくれるんです。言葉を使うプロとして、私も微妙な言葉のニュアンスに意識を向けなきゃいけないな、と思います。

index

そしてやはり何と言っても、この単語の語注です。わからない単語で止まった時に、記事の下を見ればちゃんと訳が書いてあるのがありがたいです。通訳者も、わからない時は辞書で調べるわけですが、辞書って言葉の意味が10個ぐらい載っていたりして、そのうちどれが当てはまるのかがわからないときがあります。ニュースや会話って、教科書通りの英語ではないですし、「この場合この単語はどういう意味で使われているのか」をピシッと単語一つで教えてくれるのがすごく助かります。
先日、記事に「処理水」がtreated waterと書かれていて、こういう時にもtreatを使うのかとか、「処理水」はシンプルに「treated water」と言えば完結するんだ、というふうに記憶に残りますよね。このように新しい時事用語のインプットにも役立っています。

橋本さんのようなプロ通訳者の方でも、やはり常にインプットは必要なのですね。インプットの重要性を改めて伺ったところで、実際にAlphaをどうやって読んだらよいか、どう読めば効果的かを教えください。

我が家もそうですが、英語を勉強されている皆さんはレベルもそれぞれですし、テーマによって得意・不得意があると思うんです。例えば、ビジネス系は得意だけど、Life&Cultureの柔らかい英語がむしろ苦手だったり。ですから、まずは自分が興味を持てるニュースを探すのがいいと思います。

index

Alphaは2面にINDEX(目次)があって、各記事の難易度がわかるようになっています。記事ごとにEASYからADVANCEDまで星の数で表示されているので、それを見て選ぶのもひとつかなと思います。
私も記事を読んでいて、すごく難しく感じる時があるんです。そういうときはやっぱりADVANCEDの記事だったりして(笑)私もまだまだ勉強しなくては、と思います。

また、通訳者としてやはり重きを置いているスキルがスピーキングです。スピーキングを強化するには音読を勧めたいですね。同じ読むなら、ちょっと口を動かしてみるとか、アクセントやイントネーション、抑揚を意識して声に出してみるとか。本格的に練習したい方は、音読している自分の声を録音して、後で聞いてみるのもいいと思います。

“自分のレベルと興味に合った記事を読む”―橋本さんのご家族がそれぞれにAlphaを楽しんでいる秘訣はここにあったようです。そして橋本さんオススメの音読には他にも、「ヒアリングにも強くなる」「英語の語順のまま理解できるようになる」といった効果もあると言われています。ぜひ実践してみましょう。

最後に、これからAlphaで英語を勉強しようと思う方にアドバイスをお願いします!

英語の勉強って永遠のテーマですよね。上級者の方も、これから英語の勉強を始めようという方も、何を使って勉強しようかと迷うと思います。典型的な手段としては英会話スクールが浮かびますが、時間もお金もかかりますし、なかなかハードルが高そうです。
それから英字新聞。毎日読もうと思ったら本当に辛いし、難しいし、読めないし…(笑)。挫折してしまう方もいらっしゃいますよね。しかし、このAlphaは週刊なので、1週間にこれだけ!すごくコンパクトで、マスターしやすい量だと思います。

英語は、たくさん触れることで単語や表現を覚えて、忘れて、また同じ単語が出てきて…そんな繰り返しで頭に定着していきます。だから、少しずつでもいいから毎日Alphaのどこかを読む、というのを習慣にしてみてはいかがでしょうか。
1週間に1紙という適切な量と、トピックがバラエティに富んでいるので、とっつきやすい記事、心の動く記事た何かしらあるはずです。そうして毎日Alphaを読んで、英語力アップにつなげていただけたらと思います。

mihohashimoto

※記事の内容は2023年10月時点のものです。

【PROFILE】橋本 美穂

米テキサス州ヒューストン生まれ。東京で幼少期を過ごすも小学生時代を再びアメリカで過ごし、5年間の滞在期間を経て帰国。 慶應義塾大学総合政策学部卒業後、キヤノン(株)に就職。 9年間勤めた後に通訳者へと転身。現在はフリーランスの会議通訳者として、800社以上の企業のほか、外国特派員協会、政府・自治体の通訳を務める。
著書『英語にないなら作っちゃえ!これで伝わる。直訳できない日本語』朝日出版社(2023年4月刊行)が好評発売中。

 
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