今週取り上げるのは、アメリカ大統領選で、バイデン氏が勝利宣言をしたという記事です。
electは「選挙で選ばれた」という意味。よって、主語のU.S. President-elect Joe Bidenは「米大統領選で当選した」、つまり「次期大統領のジョー・バイデン氏」ということ。declared(~だと宣言した)に続いてit was “time to heal”と、一部クオーテーションマークに入った表現が出てきます。皆さんお気づきかもしれませんが、time to healところのみバイデン氏が実際に述べたことの引用で、それ以外はこの記事の記者が書いたものということです。
afterの後にprevailingというやや難しい動詞が使われていますね。これは「(主語が何かに)勝利する」「(主語が)普及している、広がっている、まん延している」といった意味を表す動詞です。「勝利する」の意味ではwinよりフォーマルな響きのある語で、「勝利する相手」を目的語として後ろに続けないという点に注意しましょう。
◆ He is expected to prevail in the election.
(彼はその選挙で勝利すると見込まれている)
本文の前半部分は「アメリカの次期大統領となったバイデン氏は、11月7日に厳しい(bitter)選挙で勝った後の初演説で、深く分断した(deeply divided)国を『癒やす時』だと宣言した」という意味でした。
後半はeven asという形に注目。evenは「~でさえも」という意味で、後ろに「意外な情報が続く」ということを示す際に使われます(第4回で詳しく扱いました)。
◆ Frank goes swimming even in winter.
(フランクは冬でも泳ぎに行く)
◆ He kept calling his old girlfriend for years even after he got married.
(彼は何年も昔の彼女に電話を掛けていた。結婚した後でさえもだ)
2つ目の例文のように、evenはafterのような接続詞の前に置かれることもありますよ。本文もこのパターンですね。even as ~なので、「~の時でさえも」ということ。「ドナルド・トランプ大統領は負けを認めることを拒否している時でさえ」という意味でした。