今回の1面はミャンマーで軍事クーデターが起き、アウン・サン・スー・チー氏らが拘束されたという記事です。全体的に構造が複雑なので、注意が必要ですよ。
まずはstagedという語に注目。stageは「ステージ」という名詞の他、「(ストライキ・抗議活動など)~を実施する」という動詞としての用法があります。ここでは後ろにcoup(クーデター)がつながっているので、「クーデターを行った」という意味です。よって、前半は「ミャンマーの軍部は2月1日にクーデターを起こし、ノーベル賞受賞者(laureate)のアウン・サン・スー・チー氏を含む上級(senior)政治家らを拘束した」ということ。
その後に、― a sharp reversal(急激な逆転)という形が続いていますね。これは先週の第43回でも扱った構造ですよ。文の後にカンマ(またはダッシュ)で区切って名詞をつなげて、「(前の文の内容を受けて)それは~だ」という意味を表す用法がありましたね。
◆ Experiments suggested that sheep can recognize human faces — a finding that may help us better understand our brain function.
(ヒツジが人間の顔を認識できるということを実験が示唆した。それは私たちが人間の脳の機能をよりよく理解できるようになることを助けてくれるかもしれない発見だ)
このように、ここではダッシュの後の名詞(a finding)が前の文の内容を受けて「それは発見」だという意味を表しています。a findingの前に(同じように前の文の内容を受ける働きのある)which isを付けても意味は一緒。この構造はwhich isが省略されたものだと考えてもらっても結構です。
本文でも「軍がクーデターを起こし、政治家を拘束した」という前の文の内容を受けて、「それは急激な逆転である」という意味を表しています。この形にも、そろそろ慣れてきましたか?