日本の大学・短期大学数は全国で約1,100。これに対してアメリカでは、4年制・2年制合わせて約4,600もあり、しかも「偏差値」でひとくくりにランク付けすることができない。海外大学への進学を目指す場合、どのように大学選びをすればよいのか、TOEFL・IETLS・SAT 対策、出願書類の作成対策など、留学準備をトータルにサポートするアゴス・ジャパンに伺った。
専攻を決めずに出願できる
「日本では大学の学部や学科を選んで受験するのが一般的ですが、アメリカの場合、専攻を決めずに出願し、入学後に理系と文系の両方を “ダブルメジャー” として専攻することも可能です。そこで、 “理系のニューロサイエンスと文系の教育学を同時に学びたい”といった希望をかなえるため、高校卒業後に海外の大学に進学する人が増えているのです」と、留学対策専門予備校「アゴス・ジャパン」の留学指導部マネジャー、松永みどりさん。
約4,600校も存在するアメリカの大学の選び方について、松永さんはこう説明する。
「アメリカの大学は大きく、『総合大学』『リベラルアーツ・カレッジ』『音楽などの専門大学』に分かれます。リベラルアーツ・カレッジは、一般教養を幅広く学ぶ大学で、例えばリベラルアーツ・カレッジに入学して自分の興味の対象を見定め、総合大学に編入して専門分野を学ぶといったことも可能です」。
TOEFL やIELTS など英語力を証明するための試験のスコアも大きな指標となるが、自分のスコアに合った大学を選べばよいわけでもない。
「アメリカの大学は、その伝統・教育理念・校風が学校によって非常に異なります。そういった各大学の “ミッション・ステートメント” に共感することができるかどうかも、大学選びの大きなポイントです」。
アメリカの大学には、一般に「入学試験」というものがなく、出願者は「高校の成績」「SAT(アメリカの全国統一試験)」「TOEFL やIELTS 等英語力証明試験のスコア」「エッセー・小論文・作文」「課外活動の記録」「高校教員からの推薦状」などから総合的に判定され、面接が課される場合もある。エッセーや面接では、大学に対しての具体的な志望理由や強い自己アピールなどが問われる。
留学体験者の声を参考にする
また、松永さんはこうも語る。「その大学に入学したときに、毎日どういった生活を送ることになるのか、具体的にイメージすることができるのが理想的です。幸い、今は多くの留学生が自分の体験をインターネットのブログなどで公開しているので、それらを読むことは、出願する大学を選ぶための、大きな決め手になると思います」。
アゴス・ジャパンでは、同校のサポートを経て海外大学進学を成功させた留学生のブログを、ウェブサイトで公開している。東京大学に合格しながらも、アメリカでトップクラスのリベラルアーツ・カレッジに進学した学生、アメリカの大学に在籍しつつ、香港でインターンシップに参加したり交換留学生としてニュージーランドでの留学生活を経験したりした学生の体験が、細かく記されている。
「元受講生たちが、自主的に原稿を書いて送ってきてくれます。アメリカではトップレベルでも、日本ではまだその存在を知られていない優良校が数多くあります。自分が学ぶ大学のことを日本の高校生・大学生に知ってもらいたいという思いから、定期的に執筆してくれるのです」。
留学生同士のネットワークを構築
アゴス・ジャパンは、TOEFL やIELTS のみならず、SAT 対策、海外の大学院に進むために必要なGMAT・GRE といった試験の対策コースを持ち、また大学・MBA( 経営学修士)・LLM(法学修士)の出願書類作成のためのコンサルティングも行なっている。海外大学進学を目指す高校生・大学生、学内の交換留学制度に応募する大学生、キャリアアップのための留学を志す社会人などが通学し、留学を成功させた人は “アゴスの卒業生” として、自分たちの体験を後輩に伝えようとしている。
「毎年夏に開催している『アゴス大学留学サマーフェスタ』では、夏休みを利用して帰国している留学生たちが、会場に来る留学志望者の相談に直接応じています。それを機会に生まれた留学生同士のネットワークが、社会に出てから非常に役立つこともあります」。
ブログやイベントで得られる留学生の生の声を、ぜひ情報収集に役立ててほしい。
アゴス・ジャパンの留学体験者が執筆しているブログには、留学を決心するまでの経緯、学校選び、出願の状況、現地のキャンパスライフ、住んでいる町の様子などが、細かく記述されている。奨学金を得るための苦労、他大学への編入のプロセスなどを、一般の留学情報では得られない個人の視点から読むことができ、留学を考えている人たちにとって、大変参考になるはずだ。
アメリカの名門リベラルアーツ・カレッジ「ウィリアム・アンド・メアリー大学」を卒業した石川裕伊登さんは、「この大学のいいところは、一般教養だけでなく、本格的な研究を行なっている教授と直に触れ合い、さらに自分でも研究に参加できちゃうところです」と言って授業登録の様子や科目を詳細に紹介してくれるので、アメリカの大学生活がどのように始まるのか、手に取るように分かる。
東京大学とアメリカのリベラルアーツ・カレッジ「ポモナ・カレッジ」にダブル合格、東大に約ヵ月通ったのちにポモナへ進学し、さらに名門8大学「アイビーリーグ」の1校であるブラウン大学に編入した長谷川翔亮さんは、「ブラウンのすごい所は、やはり、提供されている授業の選択の幅が広いこと。ポモナでは提供されていないさまざまな専攻がある上、特定の科目においても、上級レベルや超上級レベルまで授業が提供されています」と、総合大学であるブラウン大学の特色を紹介している。
就職活動の体験記もあり、卒業後の進路が気になる人にとっても、大変役に立つだろう。こういった“アゴス卒業生” と直接話をしたい人は、毎年「海の日」(2019年は7月15日)に開催される「アゴス大学留学サマーフェスタ」に参加してみよう。