心の病に対する助けを得るのは早いほどよい。しかし、シンガポールの10代の若者たちの中には、18歳になるまで待った方がよいと思う人もいる―待ちたい理由は自分たちの親だ。
18歳以下の人々は、カウンセリングや治療を開始する前に親の同意を求めるように言われると、精神医療の提供者がシンガポールの日刊新聞『ザ・ストレイツ・タイムズ』紙に語った。これは法律ではないが、通則だと彼らは述べた。
その結果、心の病の心配を親に知られるよりも18歳になるのを待つことに決める若者もいる。
私は、教育関係と社会福祉関係の分野で働いている友人たちにこのことについて尋ねた。彼らの見解は、新聞のインタビューを受けていた精神医療関係者たちと同じだった。
若者は、親の反応を心配するため、心の病に関する心配を明らかにしたがらないことがある。親が彼らに助けを求める許可を与えないであろうということをすでに知っている人もいるかもしれない。さらに不幸な状況では、彼らの苦悩の直接的な原因が親である場合もある。
たとえば、親が絶えず言い争いをしていたり、ケンカをしていたりするせいで、ストレスを感じているかもしれない若者もいる。若者の苦悩は、非現実的な親の期待から生じていることもある。
従って、親の同意を必須とする条件は廃止された方がよいのではないだろうか? そう考えている精神医療関係者もいる。彼らは政府に対し、自分で同意できる年齢を18歳から14歳に引き下げるように求めている。14歳は、若者が精神疾患の兆候を示し始めることがある年齢だ。
シンガポールの子どもと若者に関する法令の下では、14歳未満は子どもとみなされ、14~18歳は若者とみなされる。
もちろん、分別がつくようになる年齢は人によって異なる。単にある若者が14歳だからといって、必ずしも彼または彼女が親の同意なしに精神医療を受けるのに十分なくらい大人になっているというわけではない。
そうは言っても、親の同意が若者が必要とする助けを得る障害になっているのだから、その必要を見直す価値はあると私は思う。
親の同意を必要とする年齢が引き下げられたら、組織はギリック能力テストのような何かを使って若者の判断能力を評価することができる。このテストは、16歳未満の若者が治療に同意するのに十分なくらい判断能力があるかどうかを評価するために、イギリスで生まれたものだ。
若者に十分な判断能力がない場合、おそらく、精神医療サービスの提供者は、例えば、その若者と親しかったり、彼らの状況に通じている教員や親類など、他の信頼できる大人からの同意を得ることを検討できる。
苦悩する人が助けを得られるのが早ければ早いほど、治療の成果は良くなる可能性が高い。若者はそうすれば充実した人生を送り、新しいことを学ぶことや体験することであれ、友人たちとただ素晴らしい思い出を作ることであれ、若さを最大に楽しむことができる。