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  3. 2023.11.10

Neurodiversity: What is it? ニューロダイバーシティとは?

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最近私は「ニューロダイバーシティ」という言葉を聞くようになった。それは新しい医療レーベルかと私は思ったが、違っていた。全く医療用語ではない。

ニューロダイバーシティというのは、何十年もの間、汚名を着せられてきた神経的な違いを持つ人々をもっと受け入れる社会にしようという運動だ。これらには、注意欠如・多動症(ADHD)のようなよく研究されている学習障害や、自閉症、失読症、統合運動障害なども含まれる。

ニューロダイバーシティは、人々が今までとは違った方法で彼らを取り巻く世界を経験し、そうした世界と交流するという考えを表している。思考、学習、行動に1つの「正しい」方法はなく、違いは欠点として見なされない。それはもともとは社会的正義を求める運動である一方、ハーバードメディカルスクールのウェブサイトには、ニューロダイバーシティの研究と教育は、特定の障害や神経的な症状を臨床医がどのように見て、どのようにこれらに対処するかにおいて、ますます重要になっていると書かれている。

「ニューロダイバーシティ」という言葉は、自閉症を持つオーストラリアの社会学者ジュディ・シンガー氏が初めて使った。シンガー氏は、神経の面で多様であることは、障害を持つことと同じではないと述べる。障害を持つ人々は、汚名を着せられ、欠陥があると考えられているが、神経の面で多様な人々はユニークな能力があり、素晴らしい学生で、既成概念にとらわれずに物事を考えることが多いと擁護者らは指摘する。

しかし、ニューロダイバーシティについては、特に自閉スペクトラム症に関しては、対立する意見がある。自閉スペクトラム症の人々は、他者とのコミュニケーションや交流に困難を持つ。そうした人々は、関心の幅も狭く、アメリカ精神医学会によると、「学校や職場、その他の生活のエリアで、適切に機能するためのその人物の能力を傷つける」他の症状もあるという。症状は、自閉症の人々の間で違いが大きい。最低限の支援で独立して生活できる人もいれば、言語でも言語以外でもコミュニケーションにとても難しさを抱え、変化に対処することを非常に難しく思う人もいる。自閉症の子どもの約25~50%が言葉を話さないと考えられている。このことは全て、レベルの異なる支援を必要とする多様な症状の人々の集団を生む。この多様性が基本的な問題をぼかすことがある。

例えば、ニューロダイバーシティ運動は、神経の面で多様な人々をもっと受け入れる世界を作りたいと考える一方で、その運動は多くの派閥に分かれていると指摘する専門家もいる。その運動に参加する人々の中には、自閉症は全く治療されるべきではなく、現在使われている治療のいくつかに不信感を抱かせようとする人もいる。自閉症は「ノーマルのバリエーション」であるという考え方は、科学的な理解と食い違っている。

多くの重要な医療の進歩にもかかわらず、自閉症の原因についてはまだ理解されていないこともあり、このことは多くの親たちを必死にさせ、子どもたちを助けるためにほとんど何でも試してみようとさせている。

さらなる医療の画期的な進歩と、包摂的な社会への変化が望まれる。

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