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  3. 2024.3.1

What is willpower?意志の力とは何か

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私は新年の抱負を守ったことがない。私たちの多くはダイエットをしよう、運動をしよう、生活をもっとよくしようと誓いを立てるが、私たちのほとんどはそれを最後までやり抜く意志の力がない。目標をやすやすと達成しているように見える人がいる一方で、それ以外の私たちはそうではない。その理由を知りたい。彼らの秘けつは何だろうか?

まず第一に、意志の力とは何か? それをアメリカ心理学会は、「長期的な目標を達成するために短期的な誘惑に耐える能力」として定義している。

ほとんどの人間の能力と同じように、意志の力は私たちの脳の機能だ。そうすると、私たちがダイエットを続けられなかったり、ソファから離れることができなかったりする場合、それは私たちの脳が適切に機能していないということを意味するのだろうか? 全くそうではない。それほど単純なことではない。

私たちの額の後ろに、前頭前皮質と呼ばれる脳の部分があり、これが意志の力が位置する場所だ。前頭前皮質は、膨大な仕事を持っている。前頭前皮質は、私たちの思考、行動、感情を規制している;ストレスを管理している;それから―脳の他の部分との複雑なつながりを通じて―もっととてもたくさんのことをしている。前頭前皮質は毎分さまざまな面で、あなたに何ができて、何ができなくて、あなたが何をしたいのかを決定するという仕事をしている。それは信念体系といった他の影響にも左右されることがある。

心理学者たちは最近まで、エネルギーが少ないと意志の力がより少なく感じる可能性があると考えていた。心理学者たちはこれを「自我消耗」と呼んでいた。彼らは意志の力は燃料のようなものだと考えていた。あまりにもたくさんの目標を設定すると、それらの目標が意志の力を使い尽くしてしまうことがあり、すると、自滅的な思考が邪魔をする。この理論は、その後、覆された。教育者たちの間でのより最新の考え方は、自制心と意志の力は正しいマインドセットとモチベーションを持つことほどは重要ではないというものだ。これは難しいかもしれないが、実行可能であり、より信頼できる。

世界銀行のフェローで学者であり、成長とリーダーシップに関する12冊の本の著者であるマイケル・クーリー氏は、無意識状態で行なわれる習慣を身に付けることの方が、絶え間ない意思決定に頼るよりもはるかにパワフルだと述べる。心理学者たちは、不断の努力と日常的な繰り返しにより、ある行動は約10週間で習慣になりうると同意している。このことを意志の力を「培っている」と捉えることができる。しかし意志の力は、習慣が定着していれば、目標に達成するために常に必要とされるわけではない。

クーリー氏は、私たちは良い習慣をサポートするために自分たちの環境を設計することができるとも述べている。良い習慣を付けていくために、気を散らすものをなくし、視覚的刺激を与え、同じような関心を持つ人々からサポートをもらってみよう。計画を持つことは重要だ。現実的な目標を設定しよう。そして、意志の力に完全には頼らずに達成可能な段階を踏むことによってその目標に到達しよう。それは勢いを高めていき、モチベーションが働いている状態をキープする。マインドセットは必要だ。あなたはそれを選択しなければならない。それを信じなければならない。ヘンリー・フォード氏がかつて述べたように、「あなたができると思おうが、あなたができないと思おうが、どちらも正しい」のだ。

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