結婚して父親になるはるか前、私の平日の夜の定期的な楽しみの1つは映画を観に行くことだった。
上映されているものにそれほど興味がないとしても、それはどうでもよかった―あまりにもひどくはなさそうで、子どもだけを対象にした映画でなければ、私は喜んでほぼどんな映画でも観てみた―そしてよく、少しの「自分だけの時間」のために一人で映画館を訪れていた。
映画館について好きなところはたくさんある。スクリーンと音が、これまで私の家にあったどんなセットアップよりもはるかに優れていて、座席は快適で、気を散らすものはなく、高すぎるとしても大きなバケツに入ったポップコーンを頬張るのが大好きだ。
妻と出会ってから、彼女は自然とこのルーティンに参加するようになった。唯一の問題は、私のポップコーンを分けなければならなくなったことだ。
しかし、親になってからは、映画を観る時間がない。
悲しいことに、近年映画館で観た映画は片手で数えられるほどだ。2022年は『トップガン』の続編、2023年は『ゴジラ?1.0』があった。もうそれぐらいだ。
望めるのはせいぜい、家でネットフリックスで配信されている何かを見ることぐらいだ。それでも、それは私たちが子どもを早めに寝かせられた場合だけだ。たいていの場合、仕事と子育ての長い一日の終わりに、妻と私はとにかく疲れすぎていて、2時間の映画を見始めることができない。要するに私たちは、映画館でもそれ以外の方法でもこのところ数年間は映画をあまり観ていない。
だが、娘が成長するにつれて、それが変わり始めつつある。そしてまた、私たちの映画の選択もまた変わり始めている。
大人向けのコメディ映画や身の毛もよだつようなホラー映画はナシになり、ディズニーのミュージカルがアリだ。
先週、私たちは『モアナ2』を観に、3歳児を映画館へ初めて連れて行った。私は娘が飽きたり、ぐずりだしたり、他の観客の邪魔をしたりしないか少し心配していた。言うまでもなく、幼児は集中力が続く時間がそれほど長くないことで知られている。しかし、娘は実に見事だった。彼女の父と同じように、彼女は映画館の雰囲気(とポップコーン)を本当に楽しんでいるようだった。
もちろん、私は『モアナ』の続編を一番観たい映画として選ばなかっただろうが、面白い場面もあり、その後、自分がその映画の主要な歌の1つを鼻歌で歌っていることに何度も気付くことがあった。
この経験で私は、娘が10代になったときに映画館でもっと大人っぽい映画を一緒に観ることができる、とわくわくした。
しかしその後、悲しい考えが浮かんだ:娘が10代になったとき、父親と一緒に映画を観に行くなんて彼女が絶対にやりたくないことだろう。
少なくとも、私のポップコーンを娘に横取りされる心配はしなくて済みそうだ。